泣き出しそうな嘘





勉強お泊まり会を始まってから二日目の日曜昼近く


二日目も結局一度も湊さんから連絡が来ることもなく、勉強に打ち込んでた俺。
というよりもなるべく考えないようにしてた。考えたら悪影響しか出ないような気がするから。


明日会うとき普通に喋れたらいいけれど。





成幸さんのお陰でそこそこ勉強の進む俺とはちがって、隣では負のオーラを撒き散らす輩がいた。



「さ………………っぱり……だ」


机に頬をのせ放心してる松本
昨日の続きで午前中から勉強を始めたが、時間が経つにつれてこうなっていった。


成幸さんは呆れたように溜め息をつき、緑川はそれを鼻で笑う



「さすが松本だな」

「どうして双葉くんと緑川くんはわかるのに政孝はわかんないんだよ…」


手のひらをおでこにあてる成幸さん

こんなにわかりやすいのになぁ



「松本、お前成幸さんの話聞いてるかちゃんと」

「聞いてるっつーの…」

「だったらなぜできない」

「俺が聞きたい!明日テストなのに!」


ちなみに物理をやっていた俺ら
確かに難しいけど…


「頭爆発しそうだ 」

「そのまましてしまえ」


ニッコリ笑いながら成幸さんが黒い発言をする

し、成幸さん…!?
ギョッとして成幸さんを見たらはぐらかすように微笑まれた


お、ぉおお…

成幸さんの新しい一面を見てしまった…



「んじゃ区切りもいいし、一回休憩しよう。」


みんなも疲れただろうし、と言われ小さく頷く
朝9時から始めたけれどさっそく疲れた



「昼御飯、俺どっかで買ってこようか?」

「え、それなら俺が買ってきますよ!」


立ち上がった成幸さんを止めるように慌てて立ち上がる
緑川と松本は俺らを見上げていた


「いいよ双葉ー。成幸にいかせてりゃ」

「アホか。俺教えて貰ってる側だし」

「確かにそうだな。俺と双葉で行くか」


緑川も立ち上がる
松本は、えーっ、とごねた


「みんなの方が疲れてるでしょ。いいよ別に」

「いやいやいや」


成幸さんいい人すぎる!
こっちの方がお世話になってるのに!


「仮に緑川くんと双葉くんが行ったとして、政孝と二人きりになるのは嫌だよ?」

「それはこっちのセリフだボケ」



・・・なんでこの二人こんなに仲悪いんだろう



「だったら俺一人で行ってきますよ」

「緑川お前勉強してたいだろ。いいよ俺行く」


緑川、今だってまだ勉強体制だし
俺チャリあるし。



「うーん、そんな言うんだったら俺とどっちかで買いもの行こうか」


成幸さんが苦笑しながらそう言う
…まあそれが妥当かな



「じゃあ じゃんけんだな」


それかいっそのこと松本一人で行ってくればいいんじゃね。いつものノリで。


と思うが、成幸さんが行くというのは目に見えてるのでじゃんけんして決めよう。



握った手を差し出して「じゃーんけん」と声を上げる


別に俺一人で行ってもいいんだけどなぁ。



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