というか、別にメール来なかっただけで何を深読みしてるんだ俺は…。


そんな自分に少しうんざりする


こちらから連絡を入れてみようか、と思うがそれはそれでこっぱずかしくて出来ない。自分のこの性格が少し面倒くさいと感じた



「成幸さんは身近な人と突然気まずくなったときはありますか?」


「え、急にどうしたの?」



俺の質問に首をかしげる成幸さん
な…なんて説明すればいいんだろうか

緑川は話の内容がわかってるからか、口出しせずに再び勉強に戻る

…どこから説明すればいいんだろう



「あー、じゃあね、例えば身近な人ってどういう系?親友?家族?」


俺の困った顔を見て質問を変えてくれた
どういう系…。家族…。


「あー、自分にとって、結構大事な存在の立ち位置の人ですかね…」


親友ってわけでもないし、家族…まあそれに近いものでもあるけど違う気がする。
じゃあ、なんだってなるけど

自分でもわからない



「大事な人か…。まあ、そりゃああるよ誰だって。」

「どう対処するんですか?」


てかなんか俺の質問内容変な気がする


案の定困った顔をする成幸さん



「どうって…そうだなぁ、逆に双葉くんはどういう感じなの?」

「え、と、」


どういう感じ?
普通に話せない…のもあるな、あと、緊張する?


「なんか成幸さんと会ってまだ数時間なのにこんな相談しちゃってすみません。」

「いいよ全然。どんどん聞いてあげるから。」


頭を下げたらポンポンと頭を撫でられた
優しい、めっちゃ優しいこの人

ジン、と胸が熱くなる



「それで?続きは?」

「あ、あの…なんというか、今までその存在があるのが普通だと思ってて何とも思わなかったんですけど…」

「うん」

「最近その人相手だと、うまく話せないって言うか、顔見れないって言うか…緊張しちゃって…」


思い出せば出すほど俺の態度は最近変だった
今までうざいとしか思わなかったスキンシップも今では手が触れそうになるだけで体が強ばる

いつからこうなったんだっけ

もしかしたらジワジワと波が広がっていたのかもしれない


「喧嘩でもしたの?」

「いえ…俺が一方的に」

「そっかぁ」


気まずいというのに、離れたら離れたで違和感を感じる


この矛盾はどうすればいいんだろう


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