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「・・・」
た、他人のベルトを抜くのって、こんな緊張するのか
ていうか今から別のも抜きますけど…!
あまりにも黙り続けている島崎くんが不思議で、見上げてみたら制止していた
・・・え。
そんな唖然とされると、俺が相当やばいことしてるようになるじゃん。島崎くんだって、俺に同じことしてるじゃん。今も触ってるじゃん!
必死に言い訳を並べる俺。もちろん頭の中でだ。
そして、スルリと音がしてベルトを取り外してしまったという事実が訪れる。カチャリと金属音を立ててベルトがソファから落ちた
お互い無言。
……お、俺が、なにかしなきゃ…
なにこの沈黙。つらいよ。
「さ、わっても…いいのかな」
一応了承をとる。他人に触られるなんて普通嫌だし。俺は押されに押されまくってこうなっちゃったけど。
…ああ、受けの子ってこんな気持ちなのかな。え、てかもしかして俺受けの立場なのかおい
「触ってくれるんですか?」
「え?」
なにその逆質問
まばたきをすると、島崎くんの顔が一気に近づく
「んンっ…ふッ」
そして貪るような深いキス
舌が俺の舌に甘ったるく絡んでくる
数秒して、少しあがった息づかいをしながら離れた島崎くんが俺をまた見つめてきた
し、島崎くん、目がすごい熱っぽいんだけど、なにその、色っぽい表情
「し、まさきくん……?」
「俺も、実はツラかったんですよ」
何が、と聞く前に島崎くんに手を握られる
少しぬるりとするのは、俺の、……うん。そうだろうね
島崎くんの手を汚してしまったという事実に改めて赤面した。
「…先輩に触ってもらえるとか、最高すぎる」
そう言って、俺の手を使ってチャックを下ろした島崎くん
そんな彼は、
非常に雄っぽい顔をしていた。
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