流れって怖い *
(R15 性描写注意)
なんて事を言ってしまったんだろう、と後々後悔した
やはり逃げるべきだったと強く思う
男という性別は、どんな人間でも欲求には従順なんだな、とつくづく実感した。
『恥ずかしかったら、見ないんで』
この行為に至る前に俺にそう言ってきた島崎くん
律儀にも彼はその言葉通り見ないでするつもりらしい
……少しマシかなと考えたが、全くもってマシではなかった。
「……んッ…、く…」
なるべく変な声をあげないようにと、歯を食い縛る俺
元々熱かった身体は、島崎くんの指に敏感に反応するようになっていた。自分で触る時とは違って、指先が痺れるような快感。
ふと目を開けると島崎くんがこちらを見ていて恥ずかしくなる
きっと、見ないようにとしてくれてるんだろうけど俺の顔ガン見するのってどうなの。
「み、ないでっ…」
「他にどこを見ればいいんですか」
「そ、ッれは……は、ぁ…ン」
確かにその通りだけど…!
しゃべっている途中にアレをスルリと撫でられて切ない吐息が漏れた
快感に体がぞくぞくして、頭がぼやぁとする
変な声が出ちゃうのも、荒い呼吸を繰り返すのも全部無意識でコントロールができないから、ツラい
あぁあ、すっごい恥ずかしい、こんな、
後輩の前でこんな恥ずかしい声…!
なんで俺ばっか!
「ふぇ、フェアじゃない…!」
意識が全部持ってかれる前に島崎くんに告げた
「え?」
「俺ばかり、嫌だ…」
何言ってるの俺、と思いつつも羞恥で頭が爆発しそうになり、彼のシャツを握る
BL漫画界だって、そんな、片っぽだけというよりは大抵両方一緒じゃないか!一緒に抜きあいっこ!すごく萌えるシチュなのに、自分がこうなってると思うと複雑な感情を通り越して死んでしまいたいレベルになるんですね。
なるべく下半身を見られないように上半身を島崎くんにピタリと寄せると心臓の音が聞こえてきた。
気のせいか、大分早い
「島崎くんも、どうせなら、い、一緒にさ…」
どうせならって、なんだ。
自分で言っといて意味がわからないが、そういうことだ。
俺だけ恥ずかしいのは嫌だからって道連れのつもりである
…道連れとか、本来良くないことだけど、島崎くんだってこの羞恥を味わえば気が変わるかもしれない。死んでしまいたいくらいの羞恥。とにかく恥ずかしい。
そう思って、彼のベルトに触れた
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