7(島崎SIDE)
(島崎視点)
言ってる自分でも内心これはないだろ、と思った。
先輩は優しい人だから、あきらかに俺がおかしいことを言っていてもその場の空気に流され従ってしまう
きっと今も『俺が悪いのか?』と思っているに違いない
それを利用したのだから、俺も最低な人間だなあ、とおもわず苦笑した
「…俺、先輩の事楽にしたいんですけど」
スラスラと適当な事を抜かすが、まあこれも嘘ではない。どちらかと言えば篠原先輩が可愛い声で喘いでくれるのを見たいのが本音だけれど。
「……っ、」
顔を真っ赤にして、目を軽く伏せている篠原先輩
長い睫毛がふるり、と震え俺を見上げた
「嫌だろ普通…」
上目遣いで静かにそう告げる先輩
「・・・。」
……こういうの据え膳って言うんじゃないのか。
今すぐがっつきそうになる身体をどうにか理性で抑える
ばか、ここで怯えられたら終わりだろ
「むしろ俺がお願いしてる状態なんですよ」
「……他人のとか、気持ち悪くない?」
「先輩だったらそんなこと思いません」
むしろ触りたいんだから。
引かれちゃうからそんなこと言わないけど。
可愛い後輩を演じていれば、なんなく先輩は流されてくれる
性悪ってのは自覚してる
それほど夢中なわけよ
「じゃあ……」
ボソ、と小さい声で俺に話しかける先輩
ん?と首を傾げ先輩を見る
……つか俺押し倒してるっていう事実にただでさえやばいのに
俺の下で小さく縮こまってる先輩は、ゆっくり、ほんとうにゆっくり口を開いた
「……お、お願いします…?」
……この言葉に体が固まったのは言うまでもない
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