「え、え、え?」

「先輩の声、いちいち腰にくるんですよ」


慌てる俺にハァッ、と色っぽい息を吐く島崎くん


「…?」


あ、頭にくるじゃなくて?

ドクドクと大量に顔に熱が集まり、頭の回転が鈍くなる俺


てか、押し倒されてるし、
なにこの状況、島崎くんどうしちゃったの


これじゃあ、まるで、どっかのBLしょうせ…



「先輩…」

「…ぇ、んむッ…」


またキスされる俺
もうキスの練習いいんじゃないですかね!

舌のぬるり、とした感触に慣れずにいちいちビクビクしちゃう自分が嫌になる


頭が爆発しそうだ…!
受けの子達は大変な心臓苦労を抱えてるんだね!



「篠原先輩」


名前を呼ばれいつの間にか閉じていた目を開く
ち、近い、やっぱり近いよ
まつげの数数えられちゃうってレベル



濡れた島崎くんの唇
…俺もこうなってるんだろうか



ハァ、ハァ…と息を吐きながら呼吸を整えて「はい…?」と目を向ける
頬を軽く撫でられるだけで、ゾクゾク体が震えた



な、んか…変な感じ



「体、大丈夫ですか?」

「からだ…?」


体調とか?
え、どういう事?


確かにさっきから体ゾクゾクぼやぼやするけど…



きょとんとしながら瞬きを数回すると苦笑しながら「無自覚」と言う島崎くん



な、なんで?


意味がわからずに内心慌てる
どういう事なの



しかし、


そんな俺に続いて呟かれた島崎くんの言葉に度肝を抜くことになった




「先輩、勃ってますよ」










え?

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