捕らえた獲物はとても狂暴



緊張してる俺の様子を観察しているのか、ジ、と俺の目を見つめる島崎くん


…て、照れるな…



なんか、初めて受けの気持ちがわかった気がする。
美形攻めとか多いけど、こんなイケメンに見つめられたら例え自分が男でもドキドキしちゃうよな。

もし、自分が女の子なら尚更だ。

この雰囲気に耐えられるわけがない




「あ、の。」

「はい?」


やっと出てきた声は少し震えていた

気まずくて視線を落とす



「そんな見られるとね、恥ずかしいんだ、け…ど」



情けないなんて事はさっきから自覚してるんだ。
けれど、本当に恥ずかしい。

広い部屋に二人だけだし、自分達だけだから耳が痛いくらい静かで。

しかし、自分の心音だけがやたら響いて、ソファが軋む音を立てるのではないかと思うほど。


ぁああ、静まれ俺の心臓!



「これから見つめる以上のことするんですけどね。」


島崎くんが困ったように笑う
そっと触られる頬


う、うぁっ…


ビクリ、と反射的に目を瞑る
そんな俺に笑う島崎くんの気配

ギシ、とソファの軋む音が聞こえた。


あ、あばばば…
なにこの雰囲気…!



「島崎くん、あの…」

「あ、察しました?」


察しました?…って、いやいやいや…!


そろり、と目を開けて島崎くんを見る

いつも通り優しい笑顔を浮かべているけれどどこか違う雰囲気の島崎くん



……っ



その目をみて、余計心拍数があがった。



つまり、今から、

するってことですよね…?



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