島崎くんとそんな約束をした俺


つい勢いでOKしちゃったけどなんだか今さら後悔だな
なんで俺なんだろほんと…他にももっといい人いただろうに!!そして俺はそれを見たかったぁあああああ


気持ちいいキスにグラグラしちゃう島崎くんとかすっげえ興奮するじゃん?

あぁあぁ……外野で見たかったぁあ
それだけが悔いです、はい。





そんなこんなで仕事も無事終わり、有美ちゃんの車に乗り込む



いつも通りの有美ちゃんなのだが、どこか雰囲気が柔らかい
何かあったのだろうか


明日のスケジュールの話とかもろもろした後ボーと車の外の景色を眺めていたら有美ちゃんが口を開いた


「快、今週の土曜の夕方はなにもないからね。」

「えっ、なに急に。」


突然お休みの日伝えられても…。
何かあるのだろうか、と恐る恐るミラー越しに見た有美ちゃんは何故か口許が緩い

怖ぇ。


「有美ちゃんなんかあったの?」

「は?別に。」


…あ、いつも通りの有美ちゃんだ。
は?とか聞く辺り。


「快は?」

「俺も特にないかなぁ…」


まあキスの練習をする約束しちゃったテヘペロはプライベートだから秘密にしとくとして…。
その時有美ちゃんいなかったし、バレてないよな。うん。

他には…

「あ、そういえばねー、今日島崎くんに会ったんだけどさあ髪黒くなってた。」


これがやっぱビックニュースだね
高田さんはもう見たのかな?
どんな反応しちゃうんだろう…!

さすが俺の嫁どんな髪型しても似合うなみたいな?フゥー馬鹿ップルぅ


「やっぱ髪暗いと大人っぽくなるんだね。有美ちゃんは見た?」


でもほんと格好良かったなー。俺今じゃ茶髪が普通だから黒髪がどんなんだかわからんけど似合うかな


「チラっと見たわ。まあ今も悪くないと思うけど」

「まあそうだよね」


すごい似合ってるもんね。
でもちょっと年下っぽさがなくなっちゃったから俺悲しいよ


「最近島崎と仲良いの?」

「え?別に、今までと変わらないよ」

「ふうん」


なんだその生返事
つかなんでそんなこと聞かれたんだ俺。

有美ちゃんは何を考えてるかわからないからなぁ



「そういえば、いつあなたの幼馴染み見れるの?」

「………幼馴染み?」


あ、朝の話まだ覚えてたのね有美ちゃん

そうだ、家に帰ったらあの悪魔がいるんだ
いやだなぁ、うわぁ…
俺の宝物たちは大丈夫なのだろうか…。


「いつでもいいけどー…今日は無理かな。時差ボケで寝てるかも。」


さすがにもう起きたかな
だとしても疲れきってるあいつって不機嫌丸出しだし



「なるべく早めに会わせるから…。」

「わかった。」


様子見しよう。様子見。

あいつ仕事とかいつ入るんだろう



「でもあいつ美人な人どんどん釣ってくんだよ。顔だけはいいから」

「心配してるの?」

「そりゃあ…」


いやだよ、幼馴染みとマネージャーなんかが付き合ったら
気まずいことこの上ない



「大丈夫よ。私は普通の男には興味ないから」

「ふーん…」



普通の男以外ってどんな男なんだろう
とんでもないイケメン?
でも冬馬かなりのイケメンだよなぁ…。
見てみてストライクだったらどうしよう


「例えばどんな人好みなの?」

「別に」


べ、別にって…。
なんだその返事


「細身?」

「…別に。」

「え、マッチョ系?なの?」

「珍しく突っかかってくるけど何?」

「ごめんなさい」



調子乗りすぎたみたいだ。
ミラー越しに睨まれて即座に謝る


でも有美ちゃんから男の話って全然聞いたことないなー

俺もあんま女性の話しないけれど…。




結局家に着くまで下手なことは喋れないので、ずっと外を眺めてました。はい。


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