午後10時





夜ご飯もなんとか終え、食器も洗い終わった俺

ついでに風呂も入ってのんびりテレビを見ていたとき、冬馬がある事をポツリと呟いた




そこから始まった激戦

かれこれ10分は続けている





「…………ぜったいやだ」


「いいじゃん別に減るもんじゃないし」



ニヤニヤ笑う冬馬





………いや、




「場所が減る!」




その言葉に断固拒否と大声を上げながら断った



内容は、




どこで寝るかの話し合いで。





え、てか普通さあ家主がベッドだよね?
おかしくない?
無理矢理おしかけてきた野郎がベッドで寝かせろってふてぶてしいにも程があるでしょうよ。


「冬馬はソファで寝て。俺がベッドで寝るから」

「なんで俺がソファで寝なきゃなんねんだよ。」

いうと思ったよこんちくしょー…



「だめだ。これだけは譲れない。俺は疲れてるの、だからソファで寝たくない」


「一緒に寝ればいいじゃん」

「………笑わせんな。」



俺らは今何歳だと思ってんだ
つかどこのBL小説だよ。絶対やだよ俺。

幼馴染みとなんて寝たくない




「……お前昔こんなにガード固かったか?」



その言葉に「は?」と冬馬を見ればじぃっとこちらを見てる冬馬

……変わってないと思いますけど



つか以前にも一緒に寝ようなんて言われたこともないししたこともない




……………。

たぶん。





「んな事言ったってベッドは俺のだ。お前はソファでねろ。毛布と布団くらいはくれてやる」


「快くんひどい。あと口悪い」


「ひどくねーよ。普通だ」




泊めてやっただけでもいいだろ。
これ以上親切にするわけない




そういう思いを込めて睨むと降参した様子の冬馬



「今日はソファにしてやるよ。」


やれやれ、とでも言いたそうに彼は手をブラブラ振った


……ん?
今日は?




「…お前何日泊まる気してんの?」


「部屋見つかるまで?」








…………は?





「部屋ってなんだよ」


いや、ちょっと待てよ。
なんか嫌な予感しかねーんだけど




「俺日本出るとき面倒だからいろいろ売っ払ってきたんだよね。最低限でどうにかしようと思って。金はあるし問題ねーからな」


「いやいやいや問題あるすぎるだろ」



……え、つまりなんだ?


ここに住む………って、んなわけねーよな。




「先に言っとくが、住ませないぞ」

「遅いな。俺はたぶん最低でも一ヶ月はこの家いるから。」




う、嘘だろ…?




唖然として口を開けた俺に冬馬は不敵に微笑んだ


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