「……恋ってなんだろうな…」







「………は?」






気が付いたら独り言を言っていた
ちなみに志水と一服中





そんな志水の口からポロリと落ちるサンドイッチ

汚いな




「…え、いや、どうしたんすか」

「?なんでもないけど」




先日の彼女の言葉を思い出したら呟いてしまった


やっぱあれだよなあ
この歳になって恋愛未経験となると、ちょっとあれだよね


いざというときどうすればいいんだろう?




「なにお前まさかついに好きなヤツでもできたの」



心底驚いたような顔してる志水
ついにって、志水とそんな長い付き合いじゃねーだろ



「いや、いねえけどさ。」


別にそこまで気にすることでもないだろうけど……。
ただ、なんか。うん。

つか俺、恋的なドキドキよりも萌えてきなドキドキしか味わったことない気がする





「俺らの場合恋愛してると世間がうるさくないか?特にお前なんて、大変だろ」

「……そうでもねーよ?」



恋愛騒動受けたことないからわかんないけど。




「お前が恋とか…いっさいねーのかと思ってた…」

「……。」


どういう事なんだろう。



………っま、俺にはBLあればいっかなあ
しばらくは。



その時はその時考えよう、うん






「お前も突然変なこと言うよな」

「あー、なんか園田さんに聞かれてさあ」



園田さんてのは、この前番組一緒にした人の事ね。
俺の話にあぁ、と相づちを打つ志水


「あの人自分よりも他人の恋愛興味あったもんな」


そうなのか。


「ふーん」


…あ、でも、俺と同じかも。それ。



自分の恋愛よりは、高田さんと島崎くんの恋愛が気になるもん



ズズズと紅茶を飲みながら1人納得した




「………つか、さ。」


「…うん?」



「なんでお前ここにいるの」




え?

いちゃ悪いの?


キョロキョロと回りを見る


夕方だからか、人がそこそこいるカフェ




つっても、




「…ここ、空港だぜ?」



志水が不思議に思う理由もわからなくない。








そう。
ここ、





空港なんだよね。








「お前と俺仕事一緒だっけか。」

「いや、俺、今日もう仕事ないんだわ。」




運がいいのか悪いのか、

午前中しか仕事がなかった俺





なんでここにいるかっていうと、

今日の深夜に遡らなければいけない。





あの悪魔め。





「しばらく仕事休みってことか?」

「ちげー。知り合い拾いに来た。」



つまり待ち合わせって事。




「へえ。忙しいな。」

「………まあね。」


ほんっとあの馬鹿やってくれるよ。




「つか俺そろそろ行かなきゃだから行くぜ。」

腕時計をチラリと見て立ち上がる志水
今は3時ちょいすぎ



「おう、気を付けてなー。」


軽く志水に手を振って別れを告げる

まさか空港に志水もいると思わなかったなあ。
マネージャーさんに気を使わせちゃったかも



「……はあ。」


あいつの飛行機もそろそろ着くはず
暇な時BLサイト回ろうと思ったんだけど、あいつが来るならそれは難しいだろう。




全くもって、




憂鬱だ。


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