ん?
























さん?








・・・・。











「た、たか、たかっ」



「………とりあえず落ち着け。」





うわあああと叫びっぱなしの俺に苦笑する高田さん

いやいやいやまさか高田さんだとは思わなかったしなんでここに
考えてみればイケボだし背丈とかスタッフの訳ないし俺は何をやってるんだああああああ




「……い゛っ」



けれども目の痛みにすぐに大人しくなる
理由は乾燥したコンタクト。






…しまった!!俺の馬鹿!!!!







「…大丈夫?」

「あ、はい、大丈夫、です、」



踞る俺の顔を覗きながら優しく目元を撫でてくれる彼


…うわあ、これ目開けたら絶対顔近いよな、絶対開けられない






つか、大丈夫とは言っても、



いってぇ…!!





「歩けそう?」


「なんとか…」



とりあえず零れそうになる涙を押さえつつ立ち上がる
こりゃやばい。
コンタクトつけながら寝るとか自業自得なんだけど痛い


えーと、俺の鞄…



「これ?」


「あっ、はい、ありがとうございます」


「あとこれもね。」



俺の行動を予想したのか鞄を持ってきてくれた高田さん
しかも小さめの鏡まで持ってきてくれた


………!!

超優しい…!



「すみません、色々…!」


片目を閉じつつあたまを下げる
結局、歩かずにソファに座り直すことになった。


「いーえ。」


早く直しな、と笑ってる声が頭上で響く




…………やべぇ、クソイケメンだなおい。
思わずキューーーンてなった。







「篠原くん裸眼じゃなかったんだね」

「あ、はい。中学の時は眼鏡でした。」

「いつからコンタクト?」

「あー…高校の時っすかね…?」



目に目薬を入れて、コンタクトがはがれやすくしてからコンタクトを外す

高校の時なんて一気にイメチェンしたもんだから腐れ縁がめっちゃビックリしてたっけ
つかさっき夢に出てきたからなんか変な気分



………ん?


待てよ。




「なんで高田さんここにいるんですか?」



時計を見てみると六時三十分
このあとここを使うとしてもくるのは早すぎる



「昨日遅くまで飲んじゃってたし篠原くん大丈夫かな、って思って」


……あ、心配してくれたのか…。


「俺は大丈夫ですよ、そんな飲んでないですし。むしろ志水の方が…」

「あいつは朝から爽やかそうな顔してたけどな。」


……ですよねー。



眼鏡に無事変えられたので高田さんの方を向きながら苦笑した


「…………眼鏡も似合うね。」

「そうですか?ありがとうございます。」




高田さんに言われてちょっと照れた。
ハニカミながら眼鏡を押さえる



「あー…と。」


「?」



「……ごめん、なんでもねぇよ。」



何故か顔を背けた高田さん
ん?俺、なんかしたか?



「あ、そういえば篠原くんのマネージャーの…」

「有美ちゃんですか?」

「そうそう。なんか篠原くんの事起こしてきてください、って頼まれたんだよね。なんかあるの?」

「えっ」



お、


おいおい、有美ちゃん
まさか高田さんの事パシったのかよ…!!!!




「あ、いえ、新しい企画の打ち合わせって言うか、CMの打ち合わせを…」

「あー仕事なのか。大変だな。」


お疲れーと笑う高田さん


いやいや、んなことより!!!!!!


俺としては俺を起こすためだけに高田さんをパシってしまったことに罪悪感を感じるのだけれど…!
有美ちゃん意味わかんねぇ!!!!!



「なんか、すみません…」

「え、なにが?」


「あの、なんか俺を起こすためだけにお手数お掛けして…」


素直に謝っとく
それを承諾する高田さんも高田さんだけど


「あはは、いいよ別に。俺も篠原くんの寝顔見れるのかーって少し高揚したしね。」


カラカラ笑う高田さん。イケメンか。
てか俺の寝顔見て何が得するんだ。てか見られたの?え?まじで?高田さんに?あ、そうか、当たり前か…起こしてくれたんだもんな…





「寝顔は幼いんだね。」

「え」




も、モロ見られてたって事ですか…!
てか、うわああ俺の気持ち悪い寝顔を見せてしまうなんてうわああ!!


「可愛いって意味だよ。」


俺の表情を汲み取って付け足してきた高田さん。



「・・・えっ」







それはあり得ない




って言おうと思ったんだけど、
高田さんが俺の頭を撫でながら言うもんだから、言葉に詰まってしまった




「?なに?」



「い、え…」




どうせなら、




こういうのは俺じゃなくてさ、



島崎くんにやってください…







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