レッツクッキング!




とある楽屋内で。





「料理、番組?」

「ええ、そう。得意でしょ?料理。」




首を傾けるマネージャーこと有美ちゃん
どうやら俺は料理番組にレギュラーとして出演することに。



「えー……っと。」




いやいや、何勝手に決めてんの、ていう言葉は怖くて出てこないけど、

まじで何考えてるのこの人。




「お、れ、って料理するキャラなんですかね?」

「いーんじゃないのー?イケメン、料理もできます、みたいな。今の世代そんな男子モテまくるわよ」

「いや、別にモテなくていいし。」



俺の言葉にあら、そう。と眉を上げる有美ちゃん



それにしても…うっわ、困った。
料理か……まじか…


まあ、得意っちゃ得意ですよ。
なんたって寮付き男子校を憧れて中学ん時料理しまくってたんでね。

結局頭が追い付かなくて断念しましたけどね。

王道見れずじまいでしたからね死にたい。




「………で、決定事項なの?それ。」

「もちろん。」

「うっそー…」



有美ちゃんの笑顔が憎い!俺は憎いぞ!




てか、俺人様に料理教えるほど上手くねえし!訳わかんないよ…



「で、収録は来週の木曜日の夜。その日は確か…。肉じゃがだったかしら。」


「肉じゃが!」


定番すぎてなんか安心
思わず鼻で笑ってしまった


有美ちゃんがジト目で見てきたからすぐに口を閉ざしたけど。


「…その様子なら余裕みたいね。」

「余裕じゃないです嘘ですごめんなさい。」


まあ、こんな事言っても遅いのはわかってるんだ。
だって有美ちゃんなにかに書いてんもん。予定。


最悪。



「じゃ、本番しくじったらどうなるか楽しみにしててね。」

「まじかよ……!!」

たぶん俺の予想殴るだけじゃすま無い気が…。



俺にそんな恐ろしい言葉を残して楽屋を去った彼女




しばらく立ちすくんで呆然とした。



「どうしよう。」




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