「あでっ!」
「クソガキ…篠原くん大丈夫?」



島崎くんを一発殴ってから俺を起き上がらせる
高田さあああん


兄さぁああん



「だ、だ、いじょうぶです…。島崎くんかなり酔ってるみたいで、その…。」



チラ、と島崎くんを見てみる


殴られた場所を押さえながら、スゴい不機嫌そうな顔をしている

あれ…旦那来たのに不機嫌そうだな……あれ…




一回俺いない方がいいかな?
二人でちょっと仲直りでも…ね!



「すみません高田さん、俺トイレ行きたいんで島崎くんお願いしても良いっすか?」


二度目のトイレ作戦
トイレ行くのは4度目
どんだけ膀胱仕事してるんだっていうね



「そうだな、島崎は俺に任せろ」


ニコリと腹黒笑顔を見せてくれた高田さん



グフッッ!!!
なに今の発言!!おいおい今やっと本気だすのかよおせえよ!


あ、すみません高田さん。さっきから上から言っちゃって本当にすみません高田さんかっこいいから期待してついつい!!



良かった、どうやらこれからイベントがあるみたい




「ぇえ?篠原さあん置いてかないでくださいよぉ」


俺の腰に腕を巻きつけてきた島崎くん
う、嬉しいけど…



黙れ若造!!




「あはは、ごめんね。」


何もわかってねぇなこの美青年は
俺は君達のためにこの席を離れトイレに旅立つんだよ…


俺だってそんなに膀胱弱くねぇし!4回もトイレ行かなくて良いし


「すみません…。」

とりあえず二人に苦笑を漏らしてから席を立つ



……あ、俺もちょっと酔っちゃったかも…



立ち上がった時にフラリと揺れた体


まあ意識はしっかりしてるし大丈夫だよな。おkおk。



去る前にちょっと後ろを振り返ってみたら、高田さんが島崎くんに何かしている模様



え、えぇうぇ!?

なにしてるの?ちょっとなにしてるの!?


ドアを閉めた瞬間条件反射からビターン!って壁に引っ付く。


後ろを通った人がビクッってしてるけど気にしない



俺は篠原だけど今の職業は腐男子なんだよ…



一人ドヤ顔で決め言葉を吐いといた


顔だけ出して覗く




おおっっと!
今!ちょうど今!
高田さんが横になっている島崎くんに覆い被さったあああああ
何が起こってるんだあああくっそお気になる!!
机が邪魔でMIENAI


補聴器!ほ…補聴器…?
なんでもいい!俺に道具をよこせ


『お前何ふざけたことしてんの?篠原になんてベタベタして…嫉妬でもして欲しいわけ?』
『そ、んなんじゃ…ないです』
『へぇ…じゃ、お仕置きされてーんだ?』
『ちがっ…!』
『嘘、島崎くん痛いの好きだもんね。』
『っちょっ、汐さん顔近っ…』
『いいだろ、篠原くんいねーんだから』
『そ、れでも、戻ってきたら…あぅ…!』
『期待してるくせに。…ココ、弄られるの。』
『っひ、さわんな…っで…』
『…いいの?』
『ぅ、意地悪…っ…!』




ひえええええ
絶対こんなのが繰り広げられてるよおお

あ、どうしよ俺
邪魔だよね。帰ろうか。


すんません下痢スゴいんで帰りますテヘペロって言った方がいいかな



絶対そうだよね!!
お邪魔虫は退散しようぜ!


覗き続けて5分経過
よし、そろそろ行ってみようず


「あの、高田さー……」

「おかえり篠原くん」

ニコリと微笑む彼
そして俺は声を失った




イチャイチャする処か、島崎くんのびてね…?あれ…?
うつ伏せになって死んでね…?



「島崎くんは…あの…」
「島崎?え?誰それ。」
「・・・。」



存在消しやがったこの人




なんで!?
なんでイチャイチャタイムがこんなひどい有り様に…!


あ、お仕置き!?
お仕置きにしては激しいな、おい!


アヘ顔になってたら別だけど、今はピクリとも動いてない

なにをしたの高田さん…!


「まあまあ、飲み直そうぜ。」



何事もなかったかのようにトクトク酒をいれていく彼


なに?ドSなの?
そういうプレイなの?


鬼畜攻めだったのかぁ…!!そうかぁ…!


それにしても可哀想だな!リアル鬼畜攻めって!



まあ、結局高田さんの独占欲からきたものであって、その後デロデロになるまで甘やかすんだろうけど


やだもぉ、溺愛さいこう



「もう一杯 飲む?」

「えっ!?あ、はい、じゃあ…!」


ふと気づいたら高田さんが俺の隣にいた
おおぅすげえ瞬間移動?
こりゃあたまげたね!



島崎くん、大丈夫なのかな

いっこうに起きないんだけど




おおーい



既に時間は12時30過ぎ




いつまで俺らはここにいるんだろうかと思いながらも、飲み会はまだまだ続くみたい。




え、もしかしてさ。
これって高田さんと2人きり?


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