３
あれ、
あれ…？
俺の作戦は「島崎くんを酔わせて高田さんとイチャイチャさせようぜ！」っていう内容だったんだけど。
おかしい。
「篠原さぁんお酒ぇー。」
「もう飲むなお前。二度と飲むな。」
「………うん…。」
どうしてこうなった。
俺の膝にゴローンとし始めて、お腹にグリグリしてくる島崎くん
ちょ、お腹っ
くすぐってえ…！
「島崎くん…腹、やめてくれね…!?」
あと第三者から見た感じだとかなり危ない絵面だぜ
「んは、篠原さん感じやすいんですねぇ」
島崎くんがクスリと微笑む
グハァアッ
今の悩殺エロ微笑見ましたか!?
なんで俺に向けられてるんだ信じられねぇ…
高田さん仕事しろ！！！
睨んでないで、「こっちに来い」アピールでもしてろよバカ！
せっかくの絶好の機会が俺のせいで無くなるなんて嫌だああ
ごめんなさいこんな場所にいるから悪いんだよね
「あ゛ーだから飲ませたくなかったんだよクソ…」
ハァ、と重いため息を吐きながら呟く高田さん
諦めたのか酒を再び飲み始めている
諦めんなよ！！！
俺から島崎くんを無理矢理剥ぐ勢いで離せよ！！！！
ったくそれだから最近のイケメンはよお！！
え、あ、もしかして焦らし作戦!?なんか違う気するんですけど
「……チッ、ちょっと外の空気吸ってくる」
あ…まあ、酒くさいっすもんね…
つか今かよ！
「わ、わかりました。」
なんかいろいろ不満があるが高田さんの雰囲気が怖くて言えない
イライラしてる…よな
なに、恋人（島崎くん）が俺とベタベタしてるから？
あああ！違うんですよお！俺はなんでも協力しますからあ！！
とか思っても高田さんは気だるそうに歩いていってしまってて
俺の足には「やったぁ二人きりー」とか寝ぼけた事言ってる島崎くん
…二人きりって言っても俺だしね。全然萌えねえよクソ
いっそのこと腐男子攻めいっちゃう？
ここにはトロンとした目でこちらを見ている美青年がいますよ！
今襲わないでいつ襲う！とか思うんだけど、
残念だったな。俺はいつでも部外者だからね。つねに外野でいたいんだ。
だからなにもしないでやり過ごそう
思考を真っ白にして携帯をやり始める
あれだ…膝の上には身長182cmの猫がいると思えば良いんだ。
どんな猫だよこええよ
だめだ今は携帯に集中だ
暇なときさえあれば更新チェック
俺は好きなサイト様のチェックだけは怠らないよ…ドヤァ
で、今一番ktkrしてんのが無自覚美人総受けってやつ
だってなんつっても芸能界内での話だからなんか共感しちゃってさ
むしろ実話じゃねってくらい。
おっほおお！しかも更新されてますよ！
おっおっ、おっ、新メンバーの登場ですよ！
しかも俺様美形と背が高い美少年ですって！あらまあ高田さんと島崎くんじゃありませんか！すげえ！一致
え、もしかして芸能界内に同志さんg「篠原さああん！」
「い゛っ！？」
「俺放置プレイって嫌いなんですよねー。」
突然島崎くんがドカリと俺に覆い被さってきた
な、なんだと…?
放置プレイ食らった事があるのか…！
って、んな事じゃなくて！
「うぐっ…！島崎くっ…」
「あ、良い匂いする」
あぁああ！
なにこの状況！
俺の膝に跨がって前方からクンクンと首筋に顔を埋める彼
ぎゃあああ!!まさか俺がクンカクンカされる側になるとはぁ!!
酒が回ってるのか、すぐに熱くなる俺の顔
あぁあう…！
擽ってぇ…!!
「ちょっ、島崎くん！」
「ん？」
ん？、じゃない！
あれ、俺押し倒されてね？
数センチの距離に島崎くんの顔
あらやだイケメン
なんて思って気づいたら俺が見下ろされている状態になっていた
バカだね俺
てかなんか……すごいエロい顔してんだけど…
え、あれ、どうしたの島崎くん
なんか獣みたいな…あの天使みたいな島崎くんはwhere?
「先輩慌てちゃってかわいー。」
赤い舌がチロリと見えた
完全に肉食系男子に見える…あれ…天使どこに消えた…
タチなのかこの子は…信じられない…
てか、俺を襲うとかまさかあり得ねぇだろ
そんなバナナ
「酔ってんの！？水飲めよ！」
頑張って島崎くんをどかそうと体を捩る
まさか俺を高田さんと間違えてんじゃねーだろうな…!?
「嫌ですよ。あ、口移しならいいですよ。」
なに言ってるのこの子
てかっ、力強ぇ
徐々に近づいてくる綺麗な顔
なに、あの、ええと…
俺ノット高田さんだよおお
グッと歯を食い縛ったときだった、
「何やってんの島崎」
「！！」
高田さんの大声が聞こえたのは。
メシア（救世主）…!!
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[mokuji]
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