本番



今の状況をなんと言えばいいんだろう


カメラ欲しい
録音機欲しい
双眼鏡欲しい
ビデオカメラ欲しい






こんな装備じゃ、

問題ありすぎ。







「お疲れ。」
「お疲れさまでした!」
「お疲れっす。」




無事に収録が終わり、今はすでに11時過ぎ




想像通りの二人でした。
はい。






ほんわかほんわかしている島崎くん
さりげなく島崎くんをフォローとかリードしている高田さん





そして仲良ーくお話とか相談しあっていた二人





実に素晴らしかった!!!!です!!!

思わず収録中あっちの方向に行ってしまったわ!まじで!
涎垂れてなかった!?
大丈夫だった!?


特に止められなかったから大丈夫だよな、うん。






んでもって、


今は鼻血が出そうなくらいやばい状況です。






「俺ずっと篠原さんと話したりしてみたかったんですよね〜」

左隣でニコニコ笑う 天使みたいな彼


「おい、共演者よりも篠原くんとんのかよ」


そして右で拗ねたふりしている高田さん



なに、この、
両手に花状態





「俺もずっと(イチャイチャしている)二人と話してみたかったんですよね!嬉しいなぁ」


興奮を表に出さない程度に微笑んでおく


嘘だろ……。



この二人と打ち上げなんて!!!!!





「ビールでいいか?」
「あ、はい。」
「あっ、俺もお願いしますー」
「お酒は二十歳になってから。だから却下」
「ええ!?」


やっぱり仲が良さそうな二人
なんか弟を可愛がるような目で見てるもんなぁ高田さん
これから恋人のような目線になるんだろうなぁ…ムフッ


俺真ん中に居ていいのかねえ!
邪魔じゃねぇ?


てか、冒頭部分に高田さんさりげなく俺に嫉妬しなかった!?
俺よりも篠原を選ぶのかよって言ったよな!

っっくぁあ



さいっこう




「おい、島崎。だから酒は駄目だっつってんだろ馬鹿」


「えぇー?大体俺19ですよ?事務所と公にバレなきゃいーんすよ。ね!」




………あ、島崎くん意外と不良だ。




てか、ね!って言われても困る!なにその爽やか笑顔

俺に向けずに高田さんに向けてろ!




「だめだよ島崎くん。俺島崎くんいなくなったら(萌え的に)困るし」





とりあえず先輩らしくやんわりと注意しておく
島崎くんは芸能界で数少ない受けキャラだからな、いなくなっては困るよ本当。
受けつっても俺より背高いけど。



「えっ」

俺の言葉にピタリと動きが止まる島崎くん

…ん?





「…あ、そう…っすか。じゃあ止めとこうかな」

何故か頬を染めながらはにかんできた


「・・・。」


なにそれすごく可愛い。






っちょ俺なんかに頬染めたら高田さん嫉妬するんじゃ…



少し期待しながら高田さんを見る


すると案の定、眉を寄せていた





あああ、なんか俺なんかが島崎くんにこんな顔をさせてしまってすみません・・・!!





「おい、なにデレデレしてんだガキ。」

そしてグイと俺を引っ張って俺と島崎くんを離す高田さん




………あれですか、俺に嫉妬してつい島崎くんに強く当たっちゃったってか




だから俺の首に腕を巻き付けてるのか
次島崎くんに近づいたら首絞めるっていう意かな?





俺の予想以上です。







「さりげなく篠原さん抱き締めてる高田さんもどうかと思いますけどね。」



微笑みながらこちらを見る島崎くん
黒い微笑み。



あぁ!違うんだ
高田さんは君に嫉妬して俺を君から離したわけであって、俺を抱き締めているわけではないんだよ!




あぁ、嫉妬して高田さんを軽く睨んでいる島崎くん超可愛い



…やっぱ俺ここにいちゃ不味いんじゃね?





「あ、俺トイレ行ってきます!!」

「おー」
「いってらっしゃいー。」


あ、なに俺わざわざトイレ行く宣言してんの?
ワロタ


自分が恥ずかしい人間すぎて、そそくさと席を立つ


そうだな、戻ってきた時に「詰めてくださーい」的な感じで二人をくっつけちゃおう!いえいいえい!


一人でテンション上がりながらトイレへレッツゴー





他のお客さんはこんなアホ面してる俺を誰も「篠原 快」だなんて思わなかったみたい





あー……今日は本当に幸せだなあ……




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