お酒を飲みはじめて何分たったか。

5分?10分?一時間?

まー、なんでもいいけど



「そんでなぁ〜、まずはなぁ〜、目があったら軽く笑ってやるんだよ」


酒を飲んだせいか、テンションが高いままナンパの極意を教えてくれてる獅子尾先輩

という俺もテンションがおかしい。
笑いが止まらない。死にそう。


「んであっちも笑い返してくれたら『何年生〜?』から始める」

「マジッすか」


先輩の教えに頷きながらまた酒に手を伸ばす
飲み始めたらやめられない止まらない美味しくないけど。

お酒すげえ〜〜


えーと、なになに。
まあ、とりあえず口説けってことだよな今の要約すると。


せっかくだからと、さっそくナンパを実践しようと獅子尾先輩の肩を掴んで口を開く



「君かわいいねぇ〜」

「え?今の聞いてたシュンシュン?」


ナンパなんて何だって同じなんじゃないの
でも獅子尾先輩はお世辞にも可愛いとは思えねえなぁ
前言撤回したい


笑いがとまらない辺り、俺は、もしかして相当酔ってるんじゃないか。


「ちょっと、おまえ、目ほとんど開いてねえけど」

「あいてますってぇー」


あー、それにしても頭ふっらふらするし。相手なに言ってるかわかんないし。
呂律も回らん。なんだこれ。

とりあえずナンパの続き…


「なんれんせいらの〜?」

「…あ、まだやんのね……3年?」

「俺とセックスしようぜ」

「ちょっwwwwww」


決め顔と決め声で言ったら先輩が沈没した
先輩酔いすぎ。笑いすぎ。

という俺も先輩と一緒に爆笑しているけど。



「ハル、飲むピッチ早い。顔真っ赤だよ大丈夫?」


そんな時、ひんやりとした指先が俺の頬に触れた。
お、イケメン藤くんではないか。


「……ふじぃ〜…」


あー、まあ確かに熱いわぁ
酒すげえ
なにがなんだか全然わかんね。


思考がハチャメチャになりながら藤の顔を掴む


「え、…なに?」

「お前、肌綺麗だなぁ。白いなぁ。」

「……ハル酔いすぎ。」


睫毛なげぇしー。
眉整えてんのかなコレ


「獅子尾先輩は、………普通っすね」

「シュンシュン俺の事ナメてね?」


なんか同じ平凡オーラを感じる


「あ、辻」


その声につられて後ろを見ると会長が呆れた顔をしてこちらを見ていた
藤の顎を掴んでいた手を離してお酒を口に含む

ウメッシュうめー!!!
あっダジャレいっちゃった!


「俺ぇ、前から思ってたんすけど、会長ってなんなんすか?」

「……話の脈絡全然見えねえんだけど」


立ち上がって後ろを向き、ソファに膝だちになって会長の襟を掴んだ
ビックリしてるというか、戸惑っているような会長

はぁー、あー、なんでこの顔がモテるかなぁー


「おお?シュンシュンどうした」

「なんでこの顔が世の中には受け入れられるんだ。全然ダメだろ」

「お前にいわれたかねーわ」


ッチ、ナルシめ。


襟を引き寄せ顔をじっくり拝む
なんか、なんだかなあ…
藤とはまたタイプ違うんだよなぁ
こっちは色男タイプ?いや、違う…なんか、
あーわかんねー。


「俺まじで会長嫌いです」

「熱烈な告白だな。」


思ったことが口に出た
会長は顔をしかめてるけど、回りは爆笑してる。


「だって、だって、モテるし、強いし、頭いいし、」

「……お、おぉ…」

「ハル、それ誉めてる」

「なんっでこんな無愛想な顔してモテるんだああ!!!しかもっか、かかか神崎先輩のぉ」

「神崎ぃ?」


アアアアアア羨ましいですねーーー
会長と副会長だから一緒に活動出来るぅーーー
羨ましぃ〜〜〜


「いっつもベッタベタして、ほんとに、ほんとに」

「藤、こいつどうにかして」

「うるせええ!」


この際俺はこいつに一言二言文句をつけてやる!!!!!
ゆるさないからなぁああ




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