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え、
え、え?
「・・・ふじ?」
「うん。」
「え。」
ただただ唖然としながら目の前のイケメンを見つめた
あの長い前髪を耳にかけ、そこから覗くピアスがやけに色気を増してる
長い睫毛に、綺麗な顔のパーツたち
配置も完璧で、目の色は黒だった
な、なんだ、このイケメンは
「そんな見ないでよ」
軽く微笑まれて、心臓がヒュッと縮こまる
な、なんだこの、ギャップは
お前いつもそんな風に笑ってたの
「……は、反則だろ」
「うん、ごめん。……嫌いになった?」
「いや、ならねーっていってんじゃん。藤、の性格知ってるんだし、世話になってるし」
「…そう、ならいいんだ」
またひとつ笑みを溢すと、藤がソファに沈んだ
俺を見上げて隣を叩く
「秘密事される事が嫌いなハルに、今日だけ質問に答えてあげる。なんでも聞いていいよ」
急にそんな事言われてもこまんだけど…!
でも、なんか、嫌でもないし。
おとなしく横に座ると、頭をモシャモシャとされた
「良かった。拒否られなくて」
なんでそんな安心したように笑うかな
つかお前って意外とよく笑うやつなんだな
はじめて知った。
「……お前って、何で顔隠してるの」
「ん?面倒くさいから。俺、騒がれるのが嫌で男子高校来たんだよね。まあ辻先輩も同じ理由で来たんだけど意味なかったから先に忠告されてて。」
ああ、じゃあ会長と藤は同中か。
イケメンを二人排出するってすごい中学だな。
同中でなくてよかった。
「…目黒いんだな。」
「どうでもいいこと聞くね。ハルらしいや。…ハルはちょい茶って感じ?」
ジ、と見つめられて思わずそらす。
今まで平凡仲間だと思ってたのに、こんな、反則だよな本当。
悠哉でイケメン慣れしてると思ってたんだけど
「他にはあるの?」
「結構あっかも。」
藤がゆったり微笑んできたから、俺も思わず笑った
その頃の見物人たち
「・・・・なに、この、ピンクい雰囲気。」
「つか藤の笑顔甘すぎてヤバイ。誰あれ。」
「あと俺らの事忘れてるよね。ソファでギッコンバッタンし始めたときは何事かと思ったわ。ええ、ここソファですよーってなった」
「藤おとなしく押し倒されてたしな。」
「余裕な顔してたけどな。甘いんだなシュンシュンに」
「はー、やってらんね。酒のも。酒」
「つかタバコ一本無駄にしちまったわぁ」
その頃会長は、甘さに耐えきれず別部屋でタバコ吸ってました。
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