はじめまして




もはや俺髪型で判別したようなもんだよバーロー


「……えーと、眼鏡、つけるの忘れてたから、先輩のブンどった」

「お前、目良いの?」

「…悪くはないね」


つか、お前、走っただろ
なのにマスクしてるからめっちゃ苦しそうなんだけど
見てて苦しいし、後ろで先輩たち笑いこらえてるしそれでいいの?


「藤」

「うん?」

「お前、俺の事結構気にいってんだろ?」

「…え」


自分で言うのもなんだけど、アレだ、こうでもしないと、藤動かない気がする


「だったらそろそろ顔見せたっていいんじゃねえの?」

「えっ藤お前顔隠してんのシュンシュンに!なんでなんで!?ウケんですけど!」

「・・・」


藤、なんかオーラがめっちゃ怖い



「なあ、俺お前がどんなにキモくても引かないからさ」

「……ハル…」

「いい加減見せろゴラアァアアッ!!!」



藤が気を抜いていたところで二度目の拘束にかかる

「え、今感動シーンじゃなかったの」と見物人の声がしたが無視だ無視



「俺はなぁ!秘密事されんのがいっちばん嫌いなんだよ!ハブられてる感があって!!」

「それ個人的意見じゃん!」

「うっせバーカ!」


藤に馬乗りになって、腕をソファに押さえつける
来てる来てる来てるよォオこれこの前の経験をいかして藤くん拘束来てるよぉおお



「お前ら他所でやれよ。ホモか。」

「はっ、会長、ちょっと、藤の腕押さえててください!俺はどっちかつったら女の子の方が好きだけど男の娘も嫌いじゃ、」

「手出したらぶっ飛ばす」

藤から汚い言葉出たのはじめて聞いたわ



「ハル、本当に、俺の事嫌わない?」

「いってんじゃん、そう」


しばらくモチャモチャしてるとグググ、と藤が俺の手を押し返す力が強くなる

あ、あれ?立ち位置的に俺の方が有利なんじゃないの、あれ?
力、なんか、ハンパなくないすか?俺も男なんですけど

気づいたら藤の体は結構起き上がっていて、むしろ俺が手首捕まれてる状態



「ハル、学ばないよね。一回俺の事押し倒して負けたのに」

「いや、でも今回はいけるきがした、ん、ですけど」


結局ソファから転がされ、床に落下させられた
力強すぎだろこいつ!

うつ伏せに押し付けれて、藤の顔が全く見えない
つかいたいし、苦しいし、


顔をあげると、先輩たちがニヤニヤ笑ってる

くそぅう



「ねえ、俺の顔さ倉田にも負けてないと思うよ、それでも嫌わないの?」

「えっ?」


今、なんつった?
悠哉?にも、え?


耳がおかしくなったのかと思った
ナルシ発言?
いや、でも藤がそんな事言うわけないし



「まあ、嫌ったらご飯作ってあげられなくなるし、ハルがツラくなるだけだけどね。」


そう言って、背中から重みが消えた
腰のいたさに呻いてると、腕を引っ張られる



そして、顔をあげた時ギョッとした




なんでって、




「これでいいんでしょ」





軽く目を伏せて、無愛想にそう呟くイケメンが目の前にいたから。




・・・・・え?



[ 65/78 ]

[まえ] [つぎ]
[mokuji]
[しおりを挟む]