「いや、あー…えーと」


ぶっちゃけビビって転んだ所までしか覚えてない
つか、ビビったって事を言いたくない。普通に恥ずかしい。


「ビビって転んで頭打って気絶であってる?」

「……」

わかってんなら聞くなよ


無言でいる俺を「肯」と見たのか、会長は部屋から出ていった

えぇえ、ちょ、おれボッチにするのか!!??
おい!!つかここドコだよ!!!
そんなに狭くもないけど広くもないし、あ、窓ある!
外みてみるべき?いやでも下手に動きたくない



「おーい、そいつら無実だわー、言ってた通り」

「ほらぁああっ!!!!言ったじゃんんん」

「ふざけんなっ俺もう少しで死ぬとこだったわ!!!!」

「大袈裟な。馬乗りパンチ喰らわせただけじゃないですか」

「いてえからなっ!!?藤の一発すげえいてえからな!!?」


どうやら俺と会長だけじゃないらしく、ギャーギャー声と笑い声が部屋の外から声が聞こえる

なんか、聞き覚えのある声が聞こえた気がしたんだけど
ってか、藤、って、



今、藤って聞こえた気がした。



その瞬間夢のなかで見た、藤の心配そうな顔が出てくる
顔、はっきり覚えてないけど、確かに藤だった

え、あれって現実なの?



確認するだけ損はないと思ってガバッと起き上がる

靴!どこよ!!!!



「…辻先輩、俺コンビニ行ってる」

「あいつ起きたぞ?」

「いや、…今の俺じゃハルに会えない。」

「はあ?」


ハル、と呼ぶその声に藤だと確信した
裸足でいいやもう!!


「藤!!お前いんのか!?」


バーンッとドアを開けて藤を探………そうとしたら、意外と人が多くて怯んだ

シンとなる結構広めの部屋


会長が一番ドア側にいて、パッと見、10〜20はいる




なんじゃここは!!!




「あっ、この、チキン坊主!!!お前のせいで俺顔パンッパン」

「ちょおお痛かったんだかんな!!?」

「もうちょっと早く起きてればこんなことにならなかったのにぃいい」

「ギャアアアアッ」



一気に三人が詰め寄ってきて悲鳴があがる
よくよく見てみれば最後に出くわした不良のお兄さん3人組だ



「あ、あ、あ、」



例えさっき見たとは言えこんな怖い形相で近寄られたら誰もがビビる
これは俺がチキンだからとかじゃなくてだな、普通に怖いからな、俺が弱いとかそんなんじゃ


「す、すみませんごめんなさいっ」


よくわかんないけどとりあえず謝っとく
俺一体何をした!!?


「…なんで俺を盾にするかな」

「あんたの生徒なんだから俺を守ってください」

「いや、あいつらもお前の先輩だぞ。3年」

「えっ!!?」


そうなの!?
私服だからわかんなかった!!!


ギョッてしてみると、「そーだぞ!」と赤毛が怒っていた


「俺は同じ高校のヤツがここら辺にいるの珍しいなって思って話しかけただけで!決して!殴ってはいないんだぞ藤!………あれ?」


藤、

あ、そうだ俺藤を探して!!



って思いきや、その先輩と同様、あれ?となる


藤の姿なんて見当たらない




「あいつ、大分前に出てったけど」


会長が興味なさげに呟いた

なんてこった


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