ゆ、悠哉…


思わず頭をよぎった頼りの存在は幼馴染み



いやいやいや俺なにいつのまに悠哉を頼るようになっちゃってんのさ!




「…ごめん、もっかいいって」

「だから、ここら辺最近不良ばっか」


ナンデダヨォオオオオオオ


思いっきり膝をついて天を仰ぐ
前そんなことなかったじゃん意味不!

うっわぁ………

行きはそんな事知らなかったからルンルンだけど、帰り最悪だな!




「な、なんでっ」

「近くに○○工業高校あっぺ?あそこが荒れて荒れて。んで、元々ここらを遊び場にしてた奴等とおっ始めるようになってよ」


何やってんだよ工業高校の教師……



いや、でも、まあ、いるといっても俺に絡んでくるわけないし。
そこら辺にいるとは限らないし。


俺もさすがに高校生だし対処くらいはできる


うん、余裕余裕。


だから、



「ノリさん一緒に帰ろ?」

「は?嫌だよ」


………なんでそんな冷たい反応なの?



「ねっ、ちょ、ホントお願い!俺無理!どうしよ駅までどうしよ!」

「ガキかてめえは。一回ボコボコにされたくらいでビビってんじゃねーよ」

「そりゃビビるわ!」


トラウマなめんなよ。
リアル病院送りの痛さなめるなよ

階段から落ちるより余裕で痛いんだぞ!
アザとかいまだに消えないんだぞ!
お嫁に行けない体だわ!



「来るとき何もなかったんだろ?だったら帰りも大丈夫だって」


ポンポンと頭を撫でられるが信じられない。

大体、人通りが多い道路まで結構距離あんじゃん…
来るまで30分かかったのに…



俺絶対、絶対何かしらがある自信ある




最近、フラグ回収しすぎてる気がするもん!





「とりあえず暗くなる前帰った方がいいぞ」


「…………………うん」



ノリさんにそういわれ仕方なく頷く
仕方なく、本当に仕方なく。

ノリさんだって店番あるし、仕方ない。





走って駅まで行こ…





ビクビクと荷物を握りしめて外に出る
ノリさんは俺に別れを告げてさっさと中に行ってしまった


フラグ、立たなくていいからね神様


そう願いながら空を見上げる
曇っているからなんか余計暗い




外は相変わらず人が少なくて、なんか、本当怖いし最悪



ため息をつきながら俺は駆け出した。







………この数十分後、春也はこの世に神などいないと知ることになる。





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