「というかどれだけ血出したの?かなりだよね」


着替え終わってリビングに行くと藤に聞かれた
どれぐらい…自分でもわかんねえな


「いっぱい。もう頭クラクラするくらい」

「貧血とか大丈夫だった?」

「たぶん」


すっごいダルいくらいだな
何をする訳でもなくソファの下に寝転がる

あー今日はさっさと寝よ


「俺さあ、鼻血出したの二回目なんだけどさあ」

「うん」


てかまだ二回しか鼻血出したことないってスゴくね?結構丈夫だよな俺の鼻


「初めて鼻血出したのがさ不良たちにリンチされた時だったんだよ。もうすっげえ痛くて」


それに比べればあの子達のボールはまだ可愛いもんだったな
リンチされた時は全身ボコボコだったし

思い出すだけでも怖ぇ


「え、いつの話?」

「中学ん時。お前人に殴られたときある?すっげえ痛いから」


あーでも今のご時世あんまないよなそういうの。
あいつら頭おかしいって知らない人に金貸してって馬鹿じゃね!?拒んだだけでボコるって小学生よりも馬鹿だよ本当!


「だから、今回の傷は全然余裕。あの子達余裕で許す」

「突然何かと思ったら…フォローしてるのねそれ」


だってー、藤神崎先輩の親衛隊危ないって言ってたじゃーん。おれやだもーん

藤と悠哉同じこと言うし!


「可愛い子は何しても許すけど不良は許さない。ボコボコにしたいよ藤!!!」

「…俺に言われても…」


だってあの恨みは一生晴れない!
当時はめっちゃ心配されても今となっては笑い話にされるし!ひどい!!


「そういやお前知ってた?ここの会長って不良なんだってよ。そんなんが会長やってていいのかよって感じじゃね?」


まじ退学になっちまえばいいのによー。
そうすればまだマシになる。俺の精神が


「まあ噂で聞くくらいだけど…よく知ってるね」

「知り合いから聞いた。」


あいつは誰から聞いたんだろうな
わかんねえ…腐男子わかんねえ…


「藤は不良に絡まれたことあんの?」


藤中学ん時どんなんだったんだろ
想像できね。根暗?


「…まあ?」


なんだその曖昧な返事は。


「なんだよーまたそうやって濁してさー」

「いたいいたい」


ベシベシと藤の足を叩く

こいつに関しての質問してもいっつも誤魔化すんだよなぁ
なんでだ


「でも俺も不良は嫌い」

「いやお前、好きとかいったら逆に嫌だわ」


そんな当たり前の事言われてもな。
俺の返事に軽く笑う藤


「ハルはそんなにそっち系の人嫌いなの?」

もうそりゃね


「だいっっっっきらい」


めっちゃ溜めてそう告げる



イケメンの次に嫌い

だからその二つを兼ね備えた奴は天敵ですな。



[ 50/78 ]

[まえ] [つぎ]
[mokuji]
[しおりを挟む]