自室に戻ると 藤がぐったりとソファに寝転がっていた
制服を着たままだと言うのが藤らしくない
鞄も放りっぱなしだし…



「藤どうした?」


ネクタイをほどきながら藤に近づく
こいつも疲労か?疲労

あんなことしたから


「…つかれた」


案の定の答え
ははーんやっぱインドア派にはキツいものがあったようなあのバスケは


「俺やっぱあんな事するんじゃなかった…ハルの口車に乗っちゃった事すごい後悔してる」


面倒くさい、とボソボソ言う藤
なんだなんだ何の話だ


「体力つけろってー」

「俺的には肉体的疲労じゃなくて精神的疲労なんだけどね」


せ、精神的疲労…?
何をされたんだ藤

あれか?顔晒したから馬鹿にされたとか?
有り得る。傷心中ならあまり構わない方がいいか

ニヤニヤと藤に見られないように笑いながら自分の部屋に入る



「あ、そういえば昨日のTシャツ洗濯しに行ったから明日返しときなよ保健室に」


リビングから藤の声が響く
…Tシャツって、


「え!?やっといてくれたの?」

「ついでにだよ。」


保健室から俺が借りたやつだよな?
うっわ、藤やっさっしー!!!


「血だらけの方はどうする?洗ったんだけど落ちなかったし…捨てようか」

「あ、うーん…」


一応クラスおそろいのヤツなんだよなぁ…


「捨てないー。」

「そ。」


まあ、神崎先輩と出会えたきっかけの一品としてとっておきたいですしね!

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