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な、



「ななななななんでしって!?」



突然の藤の言葉にブワァッと熱が集まる

どうして神崎先輩の話を…!
つか、知っててとぼけてたのかこいつタチ悪!!!!


「そんなどもっちゃうほどの事でもしたわけ?」

「べ、別に……」



真っ赤になった顔を隠すようにして藤に背を向ける


でも実際そんな変な事はしてないし!
てかほぼ初対面だしぃ!


「藤はどうして知ってるんだよ!」

「…ハルが怪我したって聞いて保健室寄ってみたらハルいなくて、」

「え、来てくれたの?」

「うん」


いつもみたいな静かな口調で淡々と喋り始める藤

わざわざ来てくれたのかぁ、藤くんのそういう隠れ優しいところ好きよ



「そしたら代わりに伊吹先生が楽しい話教えてくれてさ。」

「………へー…」


ん?

その言葉に思考が一時停止する
楽しい話、とは。


藤が楽しい話とか言ってるけどそれが心にも無いことだってことがすぐにわかる。だって棒読みだもん

おまけになんだかいつも以上に冷たい雰囲気醸し出してる


「いつの間にかそんな関係になったのかな?」


そんな関係……と、は、

まさかセから始まってレで終わる関係じゃねーだろうな伊吹先生なんか適当な事吹き込んでねーだろうな

あの人なんかアレだったしな



「そ、そんな関係って?」

「……先輩とセフ」

「んな訳ないだろおおおお!!!違う!ただ、神崎先輩は俺を介抱してくれただけで断じてそんなふしだらな関係じゃなーーい!!!」

「そうなの?」


必死になって藤を説得する
だから俺は体だけじゃなくて心もうんちゃらうんちゃら…


「ちょ、ちょっとその、あれだよ、おでこにちゅ、ちゅーされただけで…いや、ちゅーされただけでも十分なんだけど、あり得ないことなんだけど」

「……へえ、キスされたんだ。」


思い出しただけで顔が着火しそうになる
燃える燃えるあついわ

まあ最上級の幸せでしたよねほんと


「………まあ良かったんじゃないの」


そう言って立ち上がる藤
どうやら着替えに行くらしい



「ハルはもっと危機感もった方がいいかもね」

「危機感?」


何の?
首を傾げると藤にふい、と視線をそらされる


「……。先輩の、親衛隊とか。」

「あ、あぁ!うん、まあ、そうだな」


そうなんだよなぁ…俺親衛隊の子達とは仲良くしてたいのになぁ…。
なんでか今日狙われちゃったし。

かなしいでござる。


「一対一だと絶対目つけられるから、話したかったりするなら倉田とか連れてきなよ」

「ふぁい」


藤がおかんみたいな事言ってる。

でも悠哉は置いてくがな
あんな邪魔虫いらん


「だいたいあの人…」

「ん?」

「……。まあ、会わないのが一番良いと思うけどね」

「それは嫌だ」


即答すると だろうね、と苦笑する藤



でももし神崎先輩と話すことになったら俺恥ずかしさのあまり泡吹いて倒れるかも知れないな

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