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でも、とりあえず、落ち着け俺。
幸せを噛み締めようじゃないか落ち着けヘマをするなよ
「やっぱ体育祭って疲れるね。俺デスクワークも嫌いだけど。」
「あ、そう…なんですか、」
……すみません、落ち着けとかいったけどやっぱり信じられないんですけどこの状況。夢なんですか。ベッドに腰かけられたら夢がひろがるんですけれど。
あと俺が驚いたのが先輩が自分の一人称俺なんだけど。以外とワイルド。僕かと思ってた。
「というか、どうしてここに…?」
「ボールぶつけた事を代わりに謝罪しに。あの子も気まずいだろうし、俺としても都合もいいしね。」
「わざわざ俺なんかのためにそんな…!なんかすみません!」
あの子とは俺にボールを当てたことを指してるのだろう。
その子を配慮して自ら来るとか、神崎先輩いい人すぎる素敵。
でも都合がいいって何?
「俺、もともと杉本くんの事知ってたしね。」
「えっ」
「君の友達に倉田って奴いるでしょ?そいつ生徒会にいれようと思ってたんだけどなんか『友人のお守りで精一杯です』って断られちゃってね。」
「・・・。」
あいつ何言ってやがんだあとでボコる。
「で、友達ってどんな子かなーって思ったら杉本くんで。行動とか面白いから話してみたいなぁ、って思ってたんだ。」
「え、あ、そ、そう…なんですか……」
ちょっと…新事実すぎるんですけど、どういうことでしょうか
悠哉通してってのはすごい気にくわないけど、俺先輩にみられてたってこと?
超恥ずかしいじゃん!
顔に熱が溜まるのがわかって俯いていると頭上からクス、という笑みが聞こえてきた。
「…鼻は大丈夫?血止まった?」
「は、ハィイッ!」
声が裏返る
理由は先輩が、テッシュで鼻を押さえていた方の俺の手を握ったからであって。突然の接触。やばい。そんでやっぱり先輩の手超サラサラしてる。俺の手汚いのに
「なら良かった。ごめんね、しかもあの子俺の親衛隊でもあったし…」
「いや、気にしてないです!その!俺が先輩の事見すぎたってのも理由かと……って、」
しまった俺なに自分でストーカー暴露しちゃってんの!引かれちゃうじゃん!
「それも知ってる、食堂とかでも視線感じてたしね。」
その言葉に唖然とする俺に、先輩が微笑んだ
そこまで知られてっ…!
ああ、恥ずかしい!それは恥ずかしい!
カカカ、とさっき以上に顔に熱が集まるのを感じる
熱い、本気で鼻血が再発しちゃいそう
視線を泳がせていると先輩の手が俺の耳元に移動した
視界の端に先輩の綺麗な指先
「やっぱ予想外の反応してくれるなあ。面白いよね、杉本くんって。」
そう呟いて、今度は俺のサイドの髪を耳にかけてきた
そのついでか、サラリと耳を撫でられ背骨がゾクゾクする
せ、先輩の指が俺の耳触ってきた…!
ちょっとだけど!ちょっとスルリってしただけだけど…!
けれども先輩ラブな俺にとってはその一瞬でも十分効果があった
はふッ、と浅く息をつくと、先輩が楽しそうに喉を鳴らす
……色気、やばくないですか………
それが普通なのかわからないけれど、先輩からにじみ出る色気がなんか尋常じゃなかった。俺の予想していた、ウサギみたいなカワイイ系じゃなくて、なんというか…けっこう肉食系の…
俺はどうすればいいかわからず、先輩を見上げる
けれど、やっぱ直視できなくてすぐ逸らした
畜生、先輩近くで見ても俺の期待を裏切らないぜ…
直視できないほどの顔の整いかた
色素のうすい髪と肌はマッチしていて、少し中性的な顔はやっぱ超俺好み
でも一番引き付けられるのは唇なんですけどね
男ってそんなもんでしょ?
気づいたら、また先輩の顔をガン見していた俺
その綺麗さにポォ〜としながら先輩を眺めていたら突然クスッと先輩が笑った
その謎の笑みに「?」となる
あ、先輩、なんか目の色が違う………
「杉本くんってやっぱ面白いね。」
「えっ」
「ねえ、友達になろうよ。杉本くんに興味沸いちゃった」
そう言って俺の顎を指で掬う神崎先輩
犬を想像させるそれは、完全に先輩が俺を犬扱いしてるからであって
「だめかな?」
「そ、そそそんな!!むしろ俺、お、俺でいいんですかっ!?」
最初先輩が何を言ってるかわからなかった
友達?友達とは?
普通の友達であってる?
そしてその後の衝撃の一言
「そんな可愛い顔してると今すぐにでも食べちゃいたくなるね」
食べ……?
俺がその言葉を理解する前に、先輩は体を浮かせ、
俺のおでこにキスしてきた。
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