いたい………



鼻をティッシュで押さえながら下を向く



でもやっぱあのボールの破壊力はハンパないと思うよ。神崎先輩に見とれてたのバレてたからだよな?まじ怖いどうしよう



「……痛い」


そんでもって痛いもんは痛かった


こう……鼻の奥がヂリヂリする…絶対深く切ったよ粘膜
そういえば不良に絡まれて殴られたときもこんな感じになったっけ…。あー嫌なこと思い出した。


「痛い…」

「さっきから痛い痛いうっせーよ!先生も忙しいんだからそんな痛いならベッドで落ち着いろボケ!」


せ、先生口悪い


先生にそう言われ渋々移動する
でも確かにここは人が多い
みんなハッスルしすぎなんじゃないか…。



「ベッド借りまーす」


まあでもベッド借りれるとか最高ですね
ついでに寝ちゃおうかなぁ。
疲れたし俺。


ティッシュをはずして出血確認する
お、大分収まった感じ?
痛いけどな。


とりあえずTシャツに着替えよう。


てか俺のクラス勝ったのかな負けたのかな〜

たぶん、試合が終わってから10分は経過している

神崎先輩見れたから俺の夢は果たされた。あとはどうでもいい。どうせならかわいこちゃんのクラスを巡り回りたいぞ


そう思ってカーテンを引いてそっと保健室を眺める
ここ絶景やで。


数人はフツメンなのだが、その中に一人かわいこちゃんがいる
しかも膝小僧怪我してる。最高だ。痛がってるのがまたいい。
あれ、もしかして保健室結構いいんじゃないか?これからもまだ来るよね患者。なかなかよくないか?


とか思いながら息が荒くなるのを感じてると、カワイコちゃんがハッとしたように顔をあげた


たしかに保健室のドアが開く音がしたから誰か来たんだろう


……ほんのり顔が赤くなってるってことは、なんだ、彼氏か?
なんか「あうあう」って慌ててるし


………つまらん、実につまらんぞ


そう思って項垂れる。
イチャイチャなんて見たくないから、カーテンを引いてベッドに横になった



遠くの方でワーギャー騒ぐ音を聞きながら、血だらけのクラスTシャツを見てみた。…汚い。

洗濯の時藤に心配されそうだな。捨てといた方がいいだろうか。


とか思いながらTシャツを丸めてると『シャッ』というカーテンが開かれる音がした。



突然開かれたカーテン



…あ、そろそろ出てけって先生に怒られるかなぁ、



と呑気にそう思いながらカーテンの方を見たらギョッとした




なぜなら、




「…ベッドに寝るほど重傷だった?」



ベッドで横になる俺を見て驚いている、




…………神崎先輩がいたから。

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