鼻血がでてる、と認識するとなんだか余計鼻が痛い気がする
鼻の奥が切れていて、ジンジンと鋭い痛みが広がった


ボタボタァとたれていく血を見て固まる俺



「うっぉ、ティッシュとかねーの?」

「いや、これは直接保健室行った方がいいだろ。………杉本、」



ザワザワする中伸介が俺の腕を引っ張る

その拍子に血がさらにと溢れ「きたねっ」って言われて離された。ひでえ!!



「うぇえ、口んなか血の味するよー!!」

「話も顔もきたねーな、こっち向くな」


ひどい
さっきからそんなんばっか

いろいろ泣きそう


「ほら、杉本これタオル」

「えっ」


戸田からタオルを渡されて戸惑う
さ、さすがに鼻血だぜ?まずくね?


「あ、俺のじゃねーよ?先輩から貰ったんだけど、要らないから使えって。」

まじで?

鼻を押さえながらその綺麗なタオルを受けとる


誰だかわからないけど、本気で感謝する。これ以上この血だらけの顔面を晒したくない。

しかも神崎先輩いる前で!!!!


すぐさまタオルで鼻を押さえ立ち上がる
つか顔の表面だけじゃなくて、頭もガンガンするし。なんだこれ。


フラフラしてると伸介に「死なないから安心しろ」と言われた。
そりゃそうだよ、鼻血で死にたくねーよ。


「んじゃ俺抜ける…」

「おう。さっさと行け」



近くにいた審判に挨拶してから体育館を出た


背中に感じる多くの視線


うーっそ、まじ恥ずかしい
鼻血とか。ドッチボールで鼻血とか。


観客にめっちゃガン見された。
神崎先輩にも見られたし。目合っちゃったし


あああああ!!!!

恥ずかしい恥ずかしい痛い痛い鼻痛い血止まらん


いろんな思いを抱えながらダッシュで保健室にいく
その間にも鼻血が止まらずタオルをどんどん赤く染めていって、通りすぎる人みんなに振り向かれた。

運がいいことに体育館と保健室は近いのでそこまで時間がかからずに済んだけれど




「うっわ、ひどいな」


俺の姿を見た先生の一言

……たぶん、Tシャツも血でベドベドだ。


「ボールにぶつかりました」


つかぶつけられました。
はい。


「そっか、君もか。ほらテッシュ。上向くなよ下見てそこに座れ」


先生が俺に箱ティッシュを渡してソファに座らせる
そしてウェットテッシュものせてきてそれでてを拭くようにいわれた


「二人目だぞ鼻血だしたの」

「あ、はい…」


心当たりあるな。



「でも君の方がすごいな」


「・・・。」



苦笑されながら替えのTシャツを渡される
お、俺予想してたより顔かなりひどいのかもしれない…


それを神崎先輩にも見られた?ちょっとまってしにたい

鼻血垂らしてる男とかすげえ格好悪いじゃん!



「鼻血止まったらこれ着替えてもいいから」



保健の先生がそうだけ言って他の生徒のところに行ってしまった
忙しいのかね


それにしても…。
あぁー…。

鼻をティッシュで押さえながら手のひらを見る
すっげえ血の量

口んなかは鉄くさいし、たぶん顔もひでえんだろうな





せっかくさ、せっかくさぁ、

神崎先輩と絡みがあるとおもったのになんでこんな事に……!!



というか、おれ、あれだよね、神崎先輩の親衛隊の子に狙われちゃったんだよね。き、嫌われちゃったという?そんな、ことでも?あるよね?




どうしよう!!!!
神崎先輩と近づけないのも嫌だけど親衛隊さんたちに嫌われるのも嫌だ!!!!!!



「う、うぅうぅ…」



鼻を押さえながら前屈みになる
重症患者みたいになってるなこれ


でもどっちもツラいよぉ…。



ついでに鼻も痛い


[ 39/78 ]

[まえ] [つぎ]
[mokuji]
[しおりを挟む]