でぃすてにぃ









「藤の3Pスゴかったなー。」

「……ああ」


バスケの試合を見終わった俺たちは、ワーキャーしているドッチボール集団を見つめながら江道と会話をする

話題の対象は藤くん


うさぎのピン止めはもう返してもらった。
使用済みピン止め。なんか嫌だな。


どこか遠い目をしながら江道の話に相づちを打つ
ちなみに悠哉は試合があるため側にはいない。



「……なんでお前そんな仏頂面なの?」



なんでってそりゃあ…さ

言わなくてもわかるだろ?



「あいつがにゃんちゃんの前でカッコいい姿さらしやがったからだよ!!!!!」


床に踞りながらドンッと叩きながら叫ぶ


許せん!
あれ絶対隠れて練習してただろ絶対そうだろ!!!!!!


「・・・。」


江道はそんな俺を白い目でみている
これは「お前は馬鹿か」という目だ。


「なんつーかお前…ほんとあきれるわ…」

「うっつぁし」


俺の予想藤は平凡なんだ
けれどちょっと厨2かなんかで顔を隠してんだよ。そのうち俺の左目が疼く!とか言いはじめるよ絶対


あとで藤に質問攻めをしなければだな。体育祭終わったら問いただす。

ついでに顔もガバーとね。おでこガバーってして厨2をどうにか…




「つか俺らのクラスってどこと戦うの、ドッチボール」

「ん?俺もわかんね」


総当たり戦だから、昨日勝ち残ったクラスとなんだけど。
何ブロックとかもあるし。


今俺やさぐれ中だから
調べてもない。



というかカワイコちゃんの姿をずっとみてた

ふぁあ…癒されますねぇ
パシャリと一枚。



「俺そろそろ試合の方してくるけど、お前も頑張れよ」


「おう。」



ここで江道くん退場か
退場する前に「お前いい加減盗撮やめろ」と言ってきた。さすが。抜け目ないですね。


俺もあと10分で試合が始まる
さすがに一人は寂しいのでクラスメートの所にいった



「おー、杉本」

「江道は?どした」


「…試合始まるってテニスコート行った」



俺らのクラスは仲が良いので結構スンナリ受け入れられる
快く迎えてくれた二人の名前は 伸介と戸田


「そうかー」と笑った二人は俺の座る分をつめてくれた。


イケメンがいるクラスはちょっと荒れてるけどね。親衛隊関係とかで。つまりイケメンのせいで。ここ重要。イケメンのry



「さっき俺らのクラスバスケやってたけど、どうだったの?」

「見事なくらいきれいに負けました」


相手が悪かったなあれは。
いや、バスケ部二人ってのも問題あるけど。




「そういやさっきバスケの方のコートめっちゃ盛り上がってたよな〜」


・・・う゛


思い出したかのように語り始める二人
俺は思い出したくないんですけど。こう、イラッとするもんがあるしね


「誰か3P決めたとか?」

「あー、そうかも。でも俺らのクラスの前の試合だよな。時間的に。」


そうですよ
でもあれは偶然だよ。まじ偶然。


「んで、ほら、そっち系の男共が『キャーッ』って可愛くない声で叫んでんのこっちまで聞こえた。そんな決めたんかね。」


・・・。



「あと、こっち歩いてきた数人の生徒が『まじやばいイケメンやばい』つって…」

「は?」


……今なんつった?

イケメン………?え?


「なんか顔良いやつでもいたんじゃねぇの、ほら……「あっれっはイケメンじゃねーよ!そう錯覚されただけだよ!!!」



我慢できなくて突然叫びながら立ち上がった俺に二人は目を丸くした



「おい、突然どうした」



沈黙のあと静かにそうツッコまれておとなしく座る
でも藤はあれだよ。3p決めたからイケメンって言われてるだけであってほんとはそうでもないと思う。うん。


「相変わらず狂ってんなお前は。うさぎのピン止めつけてる時点で思ってたけど」


「ちょっと待ってください。今のどういうことですか」


辛辣すぎませんか伸介殿。


「え?俺似合ってると思うよ。大丈夫だ杉本お前らしいよ!」


ニコッとした顔でガッツポーズされ俺はどう反応したらいいかわからなくなる。片方には狂ってると言われ片方にはお前らしいと言われ。・・え?つまり?



「あ、ありがとう?」


いや、ここは伸介になんじゃワレェやんのかぁ!って言うべきだったな。まあ戸田に免じて許してやろう



「お、そろそろ時間だな」


そう言って立ち上がる伸介
その言葉につられて俺ら二人も立ち上がる


ん?てか…




「ところでさ、俺らって次どこのクラスとやんの?」



大事なことを俺は知っていない
…同学年のやつらの場合遠慮なく狙ってくるから嫌なんだよね。やっぱ後輩とかがいいね!ついでに新しく可愛い子リサーチみたいな!



「お前しんねーで眺めてたのかよ」

伸介があきれたように言う。むむ、こいつ江道と同じ匂いがするぞ。



「3年5組だよ」


「3年5組か…………ん?」



3年…………5組………?

5組?



「どした?」

「いや………」




ちょっと待て。


5組って、



俺の記憶によると…………。


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