時間はあっという間に過ぎ、






ビーーッ!!


という時間終了のタイマー音がなって、試合終了となった




ちなみに俺らの試合が終わったところ。





………し、

死ぬかと思った………!





「お疲れ杉本ー。お前の避けかたすっげえ面白かったぞ。」

「うっせ!」


クラスのみんなとハイタッチしてる中ゲラゲラ笑う江道

俺はもう汗がダクッダクで、髪もボサボサしてる状態だった


なんとか生き残ったし、勝ったけどね…!


頭に浮かぶ先程の素早いボールたち

必死に逃げる子達を見て可愛いなァ!と思ってると間髪入れずにボールが入ってくる。一体何だったんだあの怖いボールは。俺を殺す気だったのか。

一番間抜けなツラをしてたから狙われたんだろうか。いやだね



「良かったなこれで一応明日も残れるって訳だ」

「おう…明日のために頑張ったようなもんだからな…」



一日目で一度勝てば、後日に残れる
先輩のクラスが残ることを信じて俺は戦った!


ぶっちゃけもうスタメンになりたくないんだけどね!!



「お前はテニスどうだったん?勝った?」

「余裕」


フッとドヤ顔を浮かべる江道
なんだこいつそこそこ上手いのか
まあ部員だしな




「春也!」



俺と江道が話してるなかこちらに向かって走ってくる男の姿



「お疲れ〜はい、タオルと飲み物」

「……お前はマネージャーか」



ニコニコと俺にジュースを手渡し、俺の顔を優しく拭いてくる悠哉

江道も俺と同じことを思っているはず
これがカワイ子ちゃんだったらどんなに幸せなんだか。
島井ちゃんください。


「なあ俺の活躍っぷりどうだった?格好良かった?モテる?」

「んー、格好よくはないね。あ、でも面白かったよ。」

「・・・。」


そんな笑顔で言われても傷つくだけだ
それともわざとなのか。



「あ、でもほら、水も滴るいい男って言うし、今春也すごい汗だくだから格好いいんじゃない?」

「えっ・・・」

「いや、見苦しいと思うぞ」


間髪いれずに江道がツッコんできた。
見苦しいとはなんだ見苦しいとは!


そして、ズレてるよ、と直されたピン止め。
よしこれで大丈夫か。


そんなやりとりをしていると、誰かに「杉本くん!」と名前を呼ばれた。
ん?


声のした方を見てみると、な、なんと!カワイ子ちゃんズのお二人である島井ちゃんと下川ちゃんじゃないすかあああ


「お疲れっ」

「お、おつ、かれ?」

「勝てたね!おめでとー!」

「うん、ありがとー」


二人にハイタッチを求められぎごちなく手をあげる
ギャアアアア手触っちゃったよ!俺手汗だくじゃなかったかな!


視界の端に笑いをこらえてる江道と悠哉が見えた。あとで覚えてろ




「あっ、それ僕があげたやつ!つけててくれたんだね!」

「お、おかげさまで」

「あはっ、可愛いよー。真ん中分けってなんか新鮮!」



ニコッとまるで女神のような笑顔を俺にくれた島井ちゃんはじゃあね、と言って俺から立ち去っていった。

…悠哉に釘付けだったことは気にしないでおこう




「ブッハーーーッ!なにお前のそのぎこちなさ!だっせえ!」

「う、うるせえな!突然だったんだよ!」


つっても俺超ハッピー!
明日もこれつけてこー!



「つか宮本は?」

「あー、なんか『大事なCPが僕を呼んでる!』っていってどっか行った。」


まあ予想はできた。




「それで、どうだった?実際の試合は」


優しく笑いかけながら聞く悠哉



あー・・・





「余裕っすよ。」



さっき死ぬかと思ったって思ってたことは内緒にしとこう。

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