「つかすごいねーカメラ。どんくらいとったの?」

「結構撮ったぜ。午前部の子だいたいは見に行ってきた。」

「へー、あとで見せて!」

「よかろう」


どうやらにゃんこちゃんたちは応援に熱心みたい
かなしい…。悠哉転べ…。
諦めて宮本の隣のベンチに腰かける

ちょっと疲れた。


「杉本くんはドッチボールだよね。いつから試合?」

「俺は一時間後」

ギリギリまでかわいこちゃんをカメラに納める



「じゃあ応援行くーてかもう今も一緒に行動しちゃおうかな」

「歩くメモ帳が一緒か。それも悪くない。でも試合…」

「今終わったから」


そう言われてグラウンドを見てみると整列している生徒
…圧勝じゃねーか。


黄色い声があちこち響くなか悠哉が戻ってきた
存在がうざい。なんか。


「春也!来てくれたんだね」

「おーお疲れ」


汗を拭いながら悠哉がこちらにやってくる
汗かいてても暑苦しく感じないのはなんでだ

むしろ茶髪が汗によって暗さを増して色っぽくなってやがる。髪むしるぞ。



「俺の活躍見てくれてた?」

「お前ばっか目立ってたわ。転べばよかったのによ」

「あは、そりゃ頑張ったかいがあったな。」


ヘラリと笑う悠哉
この野郎俺からニャンコちゃんを奪い取るつもりか許せん


案の定、応援をしていたかわいこちゃんたちはピンクの視線を送っている
ハートがポンポン浮かんでる。俺に欲しい。



「このあと春也どうするの」

「宮本と一緒にニャンコちゃん巡り」

「うわあ…。」

「倉田くん中々正直だねえー」


ひきつった顔を浮かべた悠哉にケラケラ笑う宮本



「試合は?」

「一時間後」

「ふーん、わかった。」


そういって飲み物とタオルを拾った悠哉は俺らについてこようとする



ついてくるんかい

内心ゲエッと思う
だってにゃんちゃんの視線を総奪いしちゃうじゃん



「倉田くん。あそこでにゃんちゃんたち喋りたそうにしているけど」

「喋りでもしたら春也が怒り狂うよ」

「よくご存じで」



そんなことしてみろ
一週間は口聞かねえ


「嫉妬でもされてるの?うめえんだけど」

「嫉妬だったら可愛いんだけどね。ただの妬み。」

「聞こえてるぞこの野郎」


宮本がいるとまともな方向いかねえな…

悠哉も悠哉で馬鹿らしい
俺は悠哉を掘るなんてゴキブリ飲み込むくらい嫌だぞ。論外だ。

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