「江道はほんと飾りっけねーなー」

「俺は普通でいい。」



普通に上クラTの下ジャージの江道はまるで藤を見ているようだ。
藤もこんな格好で出掛けてった。びっくりしたね。


「おっ杉本いいピンじゃーん」

「どうもどうも」

「なにこの荷物」

「秘密兵器」

「すげえな。」


クラスメイトがわらわら集まってきたところでそろそろ開会式が始まる時間帯だってことを知る。ツッコみはいない。


もう九時か。ドキドキですね。
でも開会式は面倒くさい



『もうすぐ開会式が始まりますので静かに願います。』



案の定生徒会の誰かのマイク越しの声が体育館内に響く
あちこちでキャーキャーと小さい声で聞こえた
畜生許さねえ


頭の色的にあのうるせー方じゃねえ書記だな。
神崎先輩をはよよこせ。


『開式の言葉』


に出てきたのはメガネイケメン。確か会計
まあねここでキャーキャーすんのはもう計画通りだ
どうでもいいから早く時よ進め

校長の話とか一番どうでもいいね。


むしろ飽き始めてユニフォームの裾を弄っていたら一段と体育館内に歓声があがった


なにかと思って顔をあげれば、


俺が一番敵視しているイケメン、生徒会長が壇上に上がっていて


『どうも。』


………またお前か。



「なあ江道」

「んー」

「俺って金髪似合う?」

「似合うもなにも顔のパーツが追い付かねえな。」


ギリィッ……!
悔しくて歯軋りした。まじ悔しい死ねイケメン

王様って言われてるからって調子のってんじゃねーぞー!!!


にゃんちゃんたちそんな可愛い顔あんなゲスヤリチンに向けたって何も返ってこないよ!俺に向けようぜ!


周りを見渡すけれどみんな頬を染めて熱い瞳を向けている。
ほんとなにがいいのぉ…!

俺かなしいグスン



『それでは各々怪我しない程度に盛り上がれよ。以上。』



とか思ってるうちに会長の話が終わった。意外と投げやりと言うかほとんど棒読みだった。適当か。
ふざけんな仕事を全うしろバーカ


だというのにみんな歓声をあげちゃって黄色い声までびゅんびゅん


……テンション下がるわー…




会長の言葉が終わったのち選手宣誓、そして開会式が終わったんだけれど…。



天使の声が俺の耳を癒した



『さっき会長も言ったけれど、くれぐれも怪我はしないようにね。それでは体育祭一日目スタート』


壇上の上で笑顔で言う神崎先輩もとい天使

ぎゃああああああ神崎先輩いいいいい!!!!!
びゃあああああもうあなたに会うために生まれてきました!!!!


「神崎先輩いいいいいい!!!!!」

「お前も一緒に叫ぶんかい!」


いつしかと同じツッコみを入れられつつ魂の叫びをあげる

ぐあああもう俺今ので超元気でた!超元気!

先輩のジャージ姿拝められるとか…え、つか長袖長ズボンだった膝小僧見れないの残念だけどまあいい!


開会式サボらなくてよかった!



開会式が終わったと共にあちらこちらで円陣を組始めるクラス

「「オオォオオオ」」って雄叫びが体育館を満たす
あんまいい心地はしない


けれど、俺たちのクラスも円陣を組始めた


かわいこちゃんの隣でうで組めるかなーってワクワクしたら普通に隣江道だった。空気読めよォ…。もう片方もダチです。はい。



「絶対勝つぞー!」

「「オォオオォオオ!!!!」」


他と同じような雄叫びをあげて足踏みをする俺たち



今から、念願の体育祭が、



始まります!!!!!






ドキドキしてきたああああああ

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