男子校には、男に惚れる男というのは珍しくないが


中にはその男同士の恋愛を見て興奮する輩がいるらしい。






俺が思うにこの学校で一番そのキャラが濃いのが


こいつ。





「そっかあ!来週体育祭だもんね!それで?杉本くんが気にするにゃんこちゃんてどの子?」



俺に目を輝かせて話してくれる、図書委員の宮本


この学校の情報を一番持ってる恐ろしいヤツでもある上にとんでもない腐男子らしく。



そっち系に関してならなんでも情報をくれる





「えっと、とりあえず一年生はまだわかんねーから、二年の子教えて欲しいかな。例えば清水ちゃんとか近藤っちとか。」



体育祭の競技は全部で6つ

バスケに
サッカー、
ドッチボール、
テニス、
大縄跳び、
ソフトボール


中の競技も外の競技もあるから、
なかなか大変だ。



「あー、あの二人ね。確か…」


「ちょっと待って。なんでそんな事知ってるの。」



教えてくれようとした宮本にツッコむ悠哉
邪魔するなっつーの。


「あれあれ?倉田くん今日親衛隊との顔合わせの日じゃないのー?」

「俺は行かないよ。…てかそんな事まで知ってるんだね。」



苦笑してる悠哉

てか親衛隊との顔合わせってお前、お前…
あれだろ?なんか一緒に話ながらお茶ムシャムシャする…


つまり、

ハーレム状態になる、あれだろ?




「悠哉ばっか狡い…おれもにゃんこちゃんと戯れたい…」

「あんまいいもんじゃないよ。」

「嘘つけ。」

「…うーん、そうだな。例えてみると、春也が好きでもない男どもに囲まれてるってこと。」


「……。」


……まあ…それはやだけどよ。



そうか、悠哉にとってはそういうもんなのか。

………それでも羨ましいな…っく…



「俺は春也一匹で十分だよ。」

「失礼な。」



いつもの笑顔でそう言われ殺気がわいた。
くそう。



そんな俺らを見てニヤニヤ笑ってる宮本


俺は鈍感ではないからこの笑顔の理由がすぐにわかる



「宮本、俺らはそういう仲じゃねーぞ。」

「ええぇ〜?そうなの?」

「そうだっつーの。だから早く情報くれ」



宮本は男との絡みを見るとすぐにニヤニヤする



「…杉本くんてこういう話になると本気になるんだね。」



宮本が笑いながらそういってきた





「当たり前だろ。」




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