「近藤っち可愛いくてしんじゃう」



昨日撮った写真のデータフォルダたちをウットリと眺める
ほら、飴ちゃんなめてる近藤っち。堪らないね。



ね、ね、と共感を求めようと藤のそばに近寄ってみた
チラリとこちらを見るがまた視線は携帯に戻る



「へえ。」


あれ?反応薄い。



「機嫌いい藤くんどこいったの」

「いや興味ないこと言われても」



ほんとに興味なさそうに答えられた

えええ!なんで!
俺むしろこれがないと生きてけないのに!



「お前馬っ鹿だなあこんな可愛いのに!それとも男とそんな関係になりたくねーってパターン?」

「別に」


うっわー素っ気ねー!
慣れてるけどよ




「つまんな。男だったらもっとこう…!」


愛を求めるっつーか、体を求めるっつーか…!あ、これじゃゲス男だ。


…でも藤、地味男だからどっちにしてもあれか。
アウトか。



携帯弄ってる藤をジッと見る
この前髪とめがね取ってやりたい



「…ま、いいわ。でも副会長は可愛いと思うだろ?副会長。」


「…あー、神崎先輩?」


お、わかってんじゃん。

俺の表情に「生徒会メンバーわからない程疎くないよ。」と付け足した藤。さすがにそうか。

有名だもんな。


…つか、あの昨日向けられた笑顔が忘れられない
昇天しそうだったあの笑顔を。




「やっぱ藤も副会長は綺麗だと思うか」

「…どうだろ。でも俺はあんまオススメしないよ。」

「なんで」


あんな美人他にいねえぞおい!!!
てか藤もそういうのわかってるということに驚いた



「いや、…知んないならいい。」


俺の顔をチラリと見てそう呟く藤
え、知んないならってなに。
なによちょっと。



「ハルって馬鹿って言われない?」

ああ?



「お前も悠哉と同じこと言いたいのかこの野郎。カメラは渡さない」

「いらないよ。」


ため息つかれた。
ひでぇ。



「つかさ。俺許せないことがあんだけどさ。」



「ん?」



副会長といえばもう一つの話題は限られている。


そう、あの男だ。





「会長いんじゃん。辻先輩。」


「………うん。」



どうやら真面目に聞いてくれてるらしい藤
携帯弄る指の動きが止まった



「あの人絶対神崎先輩のこと狙ってるよな」

「……うん?」



藤が疑問の声を上げる

いや、でも、俺は確信を得ている。



「ふざけやがって…。顔いいからって先輩まで奪えると思うなよヤリチン」







「「…………。」」










「ハルってほんとに神崎先輩の事わかってる?」




数秒の沈黙のあと、藤になんか憐れみのような声出された

わかってるだと?





「ふん……愚問だな…


神崎 満
身長175
落としてきた男は数えきれない
A型
成績常に上位キープ
蜂蜜色の髪は地毛を少し弄った髪色だそうだ


………あと、」



「うん。わかった。ハルは重要なところがわかってないね。」

「え!?重要なところ!?」


ってなんだ

なんか他にも情報あるのか
え、重要ってなんだよ!
重要って!




「…まあいいや。」



まあいいやっておい!

重要なこと…?
え、なんだろ



あ、神崎先輩は俺の嫁ってことか。


自己解決



「…俺、神崎先輩の親衛隊入ろうかなぁ。守りたい。めっちゃ守ってあげたい」


「やめた方がいいと思うよ」


「藤までそんな事言ってさあ…」



なんかあんのかよ。
ああ、まあ神崎先輩の親衛隊って一杯いるからなぁ
あれだろうな。
なんか、争いが激しそう



「てかハルってイケメン嫌いだよね。どうして?」



こりゃまた大分話変わりましたね。



「……え、うざくね?」

「…。」



可愛子ちゃん全部横取りにしてるところとか、独り占めしてるところとかところとか


「むかつく。えらっそうにして。イケてる面の奴が近づいてきただけで鳥肌立つ」


「…あれは?倉田。」


「悠哉は、成り行きで友達になってた。」


「ふーん。」


まあ中学ん時の話だからな。
まだ俺も丸かったんだよ。




「イケメンは嫌いだけど可愛い子は大好きだよ。」


「そんなの知ってるよ。」





……今更だってか。


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