会長SIDE


会長side










どうにも怠い体で廊下を歩く

行事前はむかつくくらい仕事が増えるから 肩は凝るわ腕が疲れるわでまじで面倒くせえ



あちこちから感じる視線を気にするのもだるい



つか生徒会長使いすぎだろこの学校。全部俺に仕事回しやがって。
たぶん2日間の休みもこの雑用で潰れるんだろうな
せっかくの用事もお陰さまでパア。





「腹減ったー。てか何が嬉しくてこんな連中と一緒に飯食わなきゃいけねーんだよ」


先頭を歩く高原が文句を言いながら足を進める。
・・・そのままお前に返してやりてえわ。




「活動終了時刻同じなんだから仕方ないだろ」

「時間は同じだとしても机まで決まってるとなるとまじ…はあ…」

「お前にボッチ飯する勇気あんのか」

「………。いや。」




書記二人が口論をし始めるがその他の役員は気にしてない様子
高原の扱いは鈴谷が一番わかってるからだろうか


高原ってのはなんかうるさいヤツで
鈴谷ってのが落ち着いてるヤツ。







廊下を大分歩くと少しずつ聞こえてきたざわめき
食堂に近づいてる証拠



食堂の飯も嫌いじゃないけど、この人だかりはうざってえと思う。




あー…


思わず漏れたため息に我ながら疲れを感じた






案の定食堂に入るとたくさんの生徒がいた
金曜日だからか特に多い


「っわ、会長だぁ…!」
「間近で見たの初めてかも!!」
「ほんと色気すごいねぇ…」



さっきよりも増えた視線を少しうっとおしく感じつつ指定の席に行く



こんな視線浴びてるなかで転んだりしたらどうなるんだろうか。笑われるどころじゃない気がする。



たぶん高原あたりなら大丈夫だな。あいつはバラエティー枠だから。



そういう俺は生徒間で俺様王子だと言われてるらしい


そうなのか。いや俺はそんな自覚ねーから知らないけど
俺様って失礼じゃね?マイペースって言えよせめて。


・・・否定するのも面倒くさいしほっといてはいる



節操なしだってのはまあ割かしあってるが。
けど、男を抱くのは本当に限界な時だけ。
それ以外はまじで無理だから、基本は女を抱いている。






周りを特に気にせず前を見ていると神崎が笑いながら手を降っているのが目に入った。

…なんだこいつ気持ち悪ぃな。気紛れにしては珍しすぎる





チラリと相手の方を見てみるとあんま見たことのない顔



ん…?でもどっかで見た顔だなどこだっけか…



とか思ってると神崎が近寄ってきた。




「ねえあの子かわいくない?大分前から狙ってんだけどさ。」

「あー?」


かわいい?
今の奴の事を言ってんのか?


パッと見平凡面だった気が。




「なんか調教してあげたくなっちゃう顔でしょ?」


「……。」



神崎の言葉に内心引く
こいつの性癖は大分アブノーマルだと思うのは俺だけではないはずだ。



つかんな事よりめっちゃ視線がいてぇ。今までのピンクい視線じゃなくてすっげえトゲがあんだけどなんだこれ。


と思って、その視線の元を見てみたら神崎が可愛いと言っていた人物がこちらを見ていた


お前俺に恨みでもあんのか、ってくらいの睨み付け方



が、すぐに人影に隠れてしまった






……「わっしょーーい」とか聞こえたのは気のせいだろうか。

「は?」と言ったヤツ、お前の反応は正しい。
なんだあいつ。







「…かわいいかはわかんねぇな。」



どっちかというと変人じゃねえのか。


「辻嫌われてんじゃないのー?」



俺の時はすごい真っ赤になって目を輝かせてくれたよ、と微笑む神崎

…きっもち悪い顔



つか俺はどうでもいい。



「隣にいたの彼氏かなあ。倉田っしょ?さっきの。」

「倉田?…知らね。」

「二学年TOP3のイケメンくんだよ。」


あー
そんなの居たっけな。



神崎の言葉に相づちを打ちつつさっきの奴らをもう一度見てみる



背丈は170くらいの黒髪平凡


どっかで見た気がすっけど、

どこだったか。




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