あーそれにしてもムカつくなー
みんなして倉田くん倉田先輩だもんな


悠哉2学年でイケメンTOP3だし…ああやだやだ



にゃんこちゃんたち俺も見てよー

悠哉ばっか見てないでさあ。





ムスッとしながら親子丼をつつく

たぶん悠哉は俺が不機嫌になったって悟ったみたい





「ほら春也。早くしないと春也が嫌いな集団来ちゃうよ?」


「今すぐ食べ終わりますはい。」




悠哉の言葉に無理矢理親子丼をかきいれる



嫌いな集団っていうのは生徒会の事。



悠哉はまだいいんだ
他人に興味がないからネコちゃんを無差別に食べたりしないけど、奴らは違う


来るもの拒まず



俺はあいつらがヘドが出るほど嫌い
きらっきらきらっきらしてよお
なんなんだよアイドルグループかおめぇらはっていつも思う


あ、でも生徒会の副会長はおれ大好き
なんでかってめちゃめちゃ美人だから



もうやばいよ
めっちゃ輝いて見えるよ



「神崎先輩の親衛隊に入ろうかなぁ…」


副会長であらせられる神崎先輩だったら全然いい。むしろ入りたい。
俺が守ってやりたい。ついでに掘りたい。



「え。」

「あ?」



固まる悠哉


え、え、なんだよ



「まじでいってんの?」


いや、なんでそんな嫌そうな顔してんの?


はっまさか悠哉も神崎先輩を狙って……!




「神崎先輩は俺のだかんなっ!!!取んなよ!」

「興味ねーし、とろうとも思わねーよ。」




呆れたように呟く悠哉。
あれ?ちょっと怒ってる?言葉遣いが荒いよ


よし、親子丼に集中するとしよう



数分後



「食べ終わったんなら戻るよー?」

「あ、おう。ごちそーさまでした」



悠哉が俺のタイミングを見計らって席を立つ


俺もそれに返事をして食器を片付けようとおぼんを持った時だった。






「ねえねえ!来たって!」

「嘘まじで!?行こ行こ!」





と言って生徒が騒ぎ始めたのは。










「………。」







「来たってさ。」

「聞いた。」







来ちゃったのかよ…



一気にテンション下がるのがわかる。
いやもともとカメラない時点でテンション下がってたけど




ほら生徒たちの反応見てみ?
ハリウッドスターでもくるんですかってくらいの騒ぎかた
来日ですか。

まあ男だから「きゃー」なんて叫んだりしないけどすごい悶えて我慢してる人が多い


ああ……俺のにゃんちゃんたち…
真っ赤になっちゃって…



みんなみんな入り口の方を見てるところで、俺らは反対の食器返却口へと向かう



「この時間帯一気に混むよね」

「ああ。もう死ねって感じだ。」



イケメン六人とか馬鹿なんじゃねーの
モデルにでもなってろ馬ー鹿馬ー鹿


騒ぎ声が一際大きくなったと思ったところで、やはり入ってきたらしい生徒会組








予想していた通りキラッキラしてた








まず先頭を歩いてんのが書記二人。はい、イケメン滅びろ。

でそこから庶務、会計ってなってんだけど…






「のぉおおぉおあああああ神崎先輩ぃいぃいいいい」





そこには一際輝く百合の花がいらっしゃった。





「春也も一緒に騒いでどうすんの」




だってみてみろよ!!!
あの華麗さ!!!!

人形みたい!
フランス人形!!!!


綺麗な蜂蜜色に透き通った白い肌

欲しい欲しい欲しい欲しい




「神崎先輩が欲しい…」

「気持ち悪いよ。」




まあどうせお知り合いになれないってのは知ってるんだ…
だって…雲の上の人だし…


盗撮だけで胸がいっぱい



もう一度だけチラリと見てみる



ああ、やっぱり綺麗だなあ…



思わずうっとりしながら神崎先輩を見つめる俺
恋する乙女だ俺。


俺の熱い視線を感じてか、ふとこちらに顔を向けた先輩


すると



バチリッと目があった




!!!!!!!!




「め、めめっめめめめ」

「はあ?」



「神崎先輩と……目合っちゃったよぉおおォオオ」



慌てて悠哉の袖を引っ張り興奮を伝える

やばいやばい
やっべえええええええ
まじっべーーーーーーー





しかしそれだけでなく



ふわりと微笑まれて手を振られた



「!!!!????????」



俺!!!?

俺!!???


俺かなあ!!!!!!!!




一気にテンションアップして鼻血出そうになるのを慌てて我慢する

やばいやばい鼻から精子でそう。
声を発せられないほど悶えてる俺はペコペコ頭を下げる


やべえ…夢みたいだ………!!!




「手まで振ってもらっちゃったよ…なあおい悠哉…」

「春也、あの人も普通の生徒なんだからそんな事くらいで喜ばないでよ」


春也だってそういうの嫌いだから生徒会の人嫌いなんでしょ?

と悠哉に言われ思わず詰まる


た、確かにそうだけど…



「俺はイケメンが嫌いなんだ神崎先輩は違う」


そう俺がいうと悠哉は複雑そうな顔をした

またその表情かよ…



「つまり、俺が嫌いなのはあそこにいる会長みたいなやつ」


容姿端麗
眉目秀麗


この言葉がぴったりってのがこのクソ会長


学校1の美形野郎



「失せろヤリチンがァ…!」



お巡りさん!俺の子たちを誰これ構わず食べてるのはあいつです!!



悠哉の影に隠れつつメンチを切る。別に怖いから隠れてる訳じゃねーし。あのイケメンの全体像を見たくねぇからだし



しまいには 神崎先輩が仲良さげに会長に何か話しかけている





………まじ会長死ね。



目にできるだけ力をいれて本気で呪う
明日インポにでもなってねぇかなあいつ…


神崎先輩に話しかけられたからって調子のんなよ!!!





すると、俺の(呪いの)念力を感じたのか会長がチラリとこちらを向いてきた




「わっしょーーーい」



「は?」


目が合う前に慌てて悠哉の背に隠れた。まじ目なんかあったら目が爆発しちまう


あっぶねーっべー




「……俺、神崎先輩と辻先輩の違いがわかんない」


「ハァッ!!!??輝きがちげーだろうが!!!」



辻先輩っつーのは会長
金髪?地毛っすか?あ?王子さま気取りっすか?
はいはい。あーイケメン死ね

ほんと何をいってるんだ悠哉は!




「神崎先輩少し線が細いだけじゃん」

「それがいいんだろ?」



下に組敷いてアンアン言わせたい
でも先輩プライド高そうだから声出すの我慢してそう。それを俺が無理やり指突っ込んで…うっわもうまじやべえ堪らん


俺のドヤ顔に悠哉はよくわかんない、と言った顔をした


わかりたまえよ



「ま、俺は会長みたいな俺様が一番嫌いなイケメンなんだ。」


あんな王子さま面して俺様とかうぜえ
裸の王様にでもなっちまえバーカ




「ふーん、じゃあ俺みたいなイケメンは?」


「悠哉みたいな性格良いイケメンは希少価値だからなんとも言えない。つか自分でイケメンっていうな腹立つ」


「あははごめんね。」


俺がそう言うと悠哉は満足そうに笑って、後ろからノシッと乗っかってきた


あっぶねぇな…!







てか なんか視線が背中に突き刺さってる気がする


なんだとは思うけれど後ろには生徒会の野郎共がいるから振り向きたくねえし




とりあえず無視しておこう

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