食堂って、




まじ出会いの場だよね。









「ふわぁああ清水ちゃんだぁ!悠哉!清水ちゃんだよぉお」

「知らない」


「うんぬぁわぁああ可愛いやばっふぇっちっこーい!!つか隣の男邪魔だ消え失せろ」


夜食になるとみんな制服着崩して食堂にやってくるもんだから鎖骨うっほいとか私服うっほいとかテンションがやばくなる。ああ、もう、可愛い子がそんな格好しちゃだめでしょ…



「鎖骨に噛みつきたい…」

「ご飯さっさと食べろって。」


俺の独り言にやれやれとため息をつく悠哉。

俺はそんなのに構ってらんないし、うずうず体が揺れるし、写真とりたいし。







そう。






とりたいんだけど、






カメラが無い。











「悠哉返せよぉ…!」

「やだよ。食堂では没収。」




カメラと携帯どっちも取られた。チクショウ。


ギリギリと睨みつつ悠哉を睨んでみるけれど、チラリとこちらを見ただけですぐに目を背けられた。チクショウ下から見てもイケメンだむかつく。




しょうがねぇ…





大人しく目だけで追って脳内に記憶しておく



やっぱたまに食堂見に来るのもいいな。ホント。いい。
あの人形みたいな肌なんなの色白!ほそっ!抱きたい犯したひ





「春也、溢してる。」

「んぷっ!」




気づいたら水が口からダラダラ流れていた。
くそぅ、可愛い子に目を奪われ過ぎちまったぜ



馬鹿、と言いながらテッシュで拭いてくれる悠哉




これ日常風景





ちなみに、




「今日倉田先輩食堂来てるよー」


「え、ウソウソ 本当だあ!かっこいー!」





ほとんどの男の子がこちらを見てるというのも日常風景










倉田オンリーだけどな。








このやろう!!!









俺もいるというのにまるで存在していないってくらい悠哉のことばかり話す生徒たち。待って俺ってもしかして影薄いの?


それとも悠哉が眩しすぎるの?ねえ?
ねえグスングスン




「ほら、混んできたんだから早く食べて」

「………。」


「拗ねるなって」


「拗ねてねーし」



っていうか悠哉も悠哉でこんな騒がれてるのに何の反応も示さないっていうね。なんだよ慣れてるってか?あ?
ニコニコしやがってなんなんだよこの優男



「春也、今俺の悪口考えてるでしょ。」


ムニッと摘ままれる頬
なぜバレた




「…考えてねーよ」

「うそだー。だって春也ブサイクな猫みたいな顔してたよ。」

「ブサッ…」




ひでぇ
今すげー心臓に刺さった


スプーン持ったままテーブルに突っ伏す俺を見て悠哉がごめんごめんと頭を撫でてくる。全然気持ちがこもってないんだけど。




「本当は超可愛い。」



いつものニコニコした顔でそんな事を言ってくるもんだから親子丼噴きそうになった。







こいつ馬鹿なのか。

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