30E

エイルは悩んでいた。
彼を選んだものの、やはり彼の気持ちはこの狭い箱の中だけでの一時的な気持ちなのではないかと思ったからだ。
どうしようと悩んでいるうちに、相手が部屋に入ってきてしまう。

「エイル、オレ、嬉しいよ」
「エレン……」
「正直兵長やナナバさんを選ぶと思ってた。でもここに居るってことは、オレでいいんだよな?」
「……エレンは、……その……本当に私の事が好き、なの?」

困ったような表情で問いかける彼女にエレンは思わず詰め寄った。

「好きだよ!言っただろ、やばいかもって。そう思ったらエイルに対する気持ちが止まんなくなってきて「も、もういい、わかった」
「……言っておくけど、箱に入る前から結構気になってたんだかんな」
「え、そう……なの?」
「ああ。だから今のオレの気持ちにだって偽りなんかないんだ」
「……そっか。それを聞いて安心した」

エレンの本心を知ることが出来て嬉しそうに微笑むエイルに、エレンは我慢が出来なかった。
エイルの腕を引き寄せ、己の身体に閉じ込める。
そして再び彼女に問う。

「……キス、していいか?」
「……ん」

控えめに返事をする彼女の唇に、ゆっくりと自分のそれを押し当てる。
やっぱり柔らかいその感触は、ずっと味わっていてもいいくらいだ。
エレンはそう思いながら、次第に深いキスへと変えていった。

そんなエレンの勢いに押されたのか、エイルは力が抜けて後ろへと倒れこむ。
当然エレンがその勢いを止めるわけもなく、エイルの上へと覆い被さった。

「っ、ん、」
「……っ、エイル……」

はあ、と吐息を漏らしながらエレンの顔をみつめるエイルに、エレンの理性が暴走した。
なんと彼女の胸を鷲掴みにしたのである。
若さ故の勢いだ。

「エイル、エイル……ッ!!」
「ひゃ、やっ!イタッ!痛いよエレン……!」

痛がるエイルにハッと我に返ったエレンは、小さく謝った。
頷くエイルを見て、今度は丁寧にその柔らかい膨らみに触れた。

「すげえ、コレ、こんなに柔らかいんだ」
「ちょ、そ、そんなこと……言わない、で」
「なあ、もっとよく見せて」
「えっ、わっ!」

己の欲求のままに、エレンはエイルのシャツを捲った。
邪魔な下着もずらせば、白く綺麗な滑らかな曲線に、中央のピンク色の突起が見えた。
エレンの興奮は止まらない。

「綺麗だな……」

言いながらペロリと舐める。
その刺激にエイルが身体を捩れば、エレンは気を良くしたのか舌と手で彼女の胸を弄り始めた。
乱暴な手付きとは違って、優しいその行為にエイルの頭も段々と何も考えられなくなってくる。
無意識にエレンの耳を舐めれば、エレンもビクッと反応を示した。

「…………エレン……耳、弱いの?」
「しっ、知らねえよ!」
「……なんか私ばっかり、不公平だ」
「不公平?何が」
「私もエレンの事気持ちよくさせたい」
「はっ!?」

じとっとした目で見てくるエイルの予想だにしてなかった言葉に、エレンは物凄く動揺した。
そんなエレンとは裏腹に、エイルはエレンの首筋に唇を寄せる。

首筋から上へ、そして再び耳にキスを落とす。
自分を掴む腕はこんなに逞しいのに、恥ずかしそうに反応するエレンはなんだか可愛く思えた。

「ね、エレンも脱いで」
「いや、オレは……」
「エレンの肌、ちゃんと触れたいの」
「〜わ、かった!」

潔くバッと脱ぎ捨てたエレンのシャツは、無造作に床へと落ちた。
思ってた以上に逞しいその体つきに、思わず溜息が零れる。

「すごい、ここ硬そう……」
「お前、それいやらしい意味に聞こえる」
「え!?そんなつもりじゃ、わっ!」
「次はオレの番だろ」

動揺した隙を狙って、エレンは再びエイルを押し倒した。

「んっ、……ふっ、」

何度も何度も舌を絡め、熱い口付けを繰り返す。
手は太腿へと渡り、中心の窪みに滑らせた。

「!」
「エイル……オレでたくさん感じてくれてるんだな」
「……あっ、……あ、……」

するりと下着の中まで入っていった手、その指は、遠慮という言葉を知らないかのように一番感じる場所をくりくりと擦る。

「やだっ、そこっ、だめ……!」
「だめじゃないだろ、こんなにたくさん濡れてくるのに。どうなってんだ?」
「ひゃあ!!みっ、みないでぇっ!!」

エイルの抵抗も虚しく、一気に脱がされた下着はエレンのシャツと同じように床へと投げ捨てられ、エレンの両手がエイルの膝を押し広げる。
その場所を目の当たりにしたエレンはゴクリと喉を鳴らした。
そして、徐に顔を近づけるとその匂いを嗅ぐ。

「やだっ!匂いなんて……っ!」
「オレは好きだよ、エイルの匂い」
「ひゃうっ!」

恍惚とした表情でそう言ったエレンは、小さな膨らみに舌を這わせた。
自分の唾液で濡れているのか、エイルの愛液なのかわからなくなってくる。
ちゅ、くちゅ、と響く水音が二人をより一層興奮させた。
指を入れれば今度は自分のモノを入れたくなる。
エレンはエイルを攻めながらも自分の衣類を全て脱ぎ去り、はぁっと息を吐いたかと思うとエイルのそこへと宛がった。

「エイル……、オレ、お前ともっと気持ち良い事したい……!」

先端を少し滑り込ませれば、奥まで入っていくのは簡単で。
彼女が許可する前に、エイルの中にはエレンがしっかりと収まってしまった。

「エ、レンっ……、ちょっと……痛い、かも」
「オレはすげえ気持ちいいけど……」
「んん、あ、あぁっ、」

エイルのナカの気持ち良さに、エレンの腰が自然と動く。
その動作に更に快感が訪れる。
最初は痛がっていたエイルだったが、次第に慣れてきたようで痛みが少しずつ快感に変わっていく。

奥へ、奥へと打ちつけられるその力強さに気を失ってしまいそうな気分だったが、必死でエレンの肩へとしがみ付くエイル。
そんなエイルの必死さが、エレンには愛おしくてたまらなかった。

エレンが己の欲望を吐き出すと、エイルの身体がビクンと一際大きく反応する。
ハァ、と息を吐いた後にずるりと抜き出されたエレンのそれからは、白い液体が滴り落ちている。

そして次の瞬間、スイッチが切れたようにエイルの上へドサリと被さった。

「わ!エ、エレン、大丈夫?」
「ああ……ちょっと頑張りすぎた……」
「…………、」

どう返答していいか答えあぐねているエイルを、エレンが真剣な表情で見つめる。

「エイル、オレ、ほんとにお前のことちゃんと好きだからな。勢いでこんなことしたわけじゃないから」
「……うん、ちゃんと、わかってる」
「やっと最後のターンまできたけど……巨人共なんかさっさとぶっ倒して、早くこんな箱から出よう。みんなで一緒に、生きて帰ろう」
「ん、そうだね」
「元の自分達の世界に戻ることが出来たら……その時は……お前のハッキリした気持ち、聞かせてくれるか?」
「……うん、わかった」

肯定の意を受け取ったエレンは、安堵したようにエイルを抱き締めた。
口に出さずとも気持ちが伝わっていると思っていたエイルは、好きでもない人と行為に及んだと思われてるんだろうか、と変な心配をしていた。
エレンとてそんな事は考えてはいない。
言葉にすることで、より強い確証がほしかっただけだ。

とにかく、残すところあと1ターン。
エレンの言うとおり、生きて帰るためには自分がヘマをしてはならない。
最後は自分にかかっているのだ。
エイルは大きなプレッシャーを感じながら、エレンの逞しい胸板に顔を埋めた。

ゆっくりと優しく頭を撫でてくれる手が心地良く、これならちゃんと眠れそうだと、エイルはそのまま目を閉じた。




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