30L

「確かに、夜になったのならゆっくり休めそうな気はするな」
「そ、そうですね」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」


ベッドの上では、沈黙が続いていた。
選んだ彼女と選ばれたリヴァイ。
最後にエイルと一緒に寝る権利を手に入れたのは、リヴァイだった。
リヴァイを選ぶということがどういうことだか、ちゃんと理解もしている。
理解しているにも関らず、どうしていいか分からなくなってしまった結果の沈黙。

「そう堅くなるな」

リヴァイが手を伸ばそうとすれば、その瞬間更にエイルが固まる。
リヴァイは苦笑するほか無かった。

「……そんなに固まられちゃ手出しも何も出来ねえじゃねえか。それとも選んだものの、やっぱり嫌ですとでも言うのか?」
「い、嫌なわけないじゃないですか。嫌だったら選びません。っていうか私に選択肢がある事自体おかしいんです、ほんとに。この箱の中で唯一の異性だからそういう風に見れちゃってるだけで……」
「お前は自分の価値を全くわかってねえな」

箱に入る前から彼女は密かなる人気者だった。
ジャンのように女性と気づいてない輩も何人かは居たみたいだったが、彼女のことをちゃんと知ってる人たちは皆その性格に惹かれて。
逆に、箱の中に一緒に入らなければ自分の想いを伝えることもなかっただろうと思うと、リヴァイは自嘲気味に笑った。

「エイル」
「は、い」

あまりにも真剣なその目に打ち抜かれ、エイルの心臓が跳ねた。

「俺は、お前が好きだ」

反応を返す前に唇を塞がれ、逃がさないと言わんばかりに身体をきつく抱きしめられる。
こうなるとエイルに反抗する術は無かった。
そもそも自分の心に正直になった結果リヴァイと一緒がいいと思ったわけだし、反抗などする気は無いのだが。

自分の気持ちを伝えようと口を少し開けば、そのままリヴァイの舌がぬるりと入り込んでくる。
前回のように自身のそれを絡めとられれば、思考も段々と奪われ始める。

「好きだ、エイル」

二度目のリヴァイの告白。
彼女はその甘い言葉を受け入れるかのように、身体の力を抜いた。
何度か口付けを交わすと、リヴァイの唇が次第に頬から耳へ、そして耳の裏から首筋へ、ゆっくりとなぞる様にエイルの肌を這っていく。

「……ッ、ん」

ぞくぞくと表しようのない感情が込み上げてきて身体を捩れば、肩をつかまれ、ゆっくりと押し倒された。

その間もリヴァイの行為は止まらない。
鎖骨までいったかと思えば、そこで一度強く吸い上げる。
ピリ、と痛みを感じて見てみれば、赤い花が咲いたように色づいていた。

「俺の物だ」

ニヤリと笑うと同時に、再び唇へとキスが落とされる。
それからリヴァイの手がエイルの太腿を撫で、腰へと上がってくる。
腰から更に上へ上へと動くそれは、柔らかな膨らみへと辿り着いた。

ゆっくりとした手付きで撫でると、エイルの身体がピクリと動く。
その柔らかさを堪能するため少しずつ力を入れて揉み始めると、キスから漏れるエイルの吐息が甘美なものに変わった。
突起をつ、と弾いてみれば可愛らしい声が耳に届く。

それに気を良くしたリヴァイは唇へのキスを辞め、再び首筋に移動しながらエイルのシャツを捲り上げた。
これにはエイルも抵抗しようとしたのだが、それを許さないとでも言うようにリヴァイの手につかまれてしまう。

小振りだが形のいい胸。
リヴァイはその柔らかいものを堪能するため、突起に舌を這わせ、口の中で転がす。

「ひ、……ん、……アッ、…………」

暖かくてザラついたその感触に段々と気持ちよくなってきたのか、恥ずかしそうに控えめな声を出すエイル。
当然そんな声はリヴァイを煽るわけであり、右の突起を舐めながら左手でもう片方のそれを攻めた。

「……んんッ、や、あ、あっ……」
「いい声で啼くんだな」

リヴァイのその一言は、エイルの顔を更に赤くさせるには十分だった。

「……エイル、お前の気持ちを聞かせてくれ。俺でいいのか」

執拗に胸に触れつつも問いかけるリヴァイ。
それを気持ちよく思ってるエイルが否定などするはずがなかった。

「……リ、……リ、ヴァイさん……が、いいん……です……っ」

その言葉を聞いたリヴァイに、最早手加減など出来なかった。
胸に置いてあった手はいつの間にか下半身へと移り、するすると太腿を撫でる手付きにまたエイルの身体がピクリと動く。
そして下着の上から触れると、リヴァイはピタリと手を止めた。

「…………すげえ濡れてる」
「いっ、言わないでくださいッ」

その恥ずかしいという顔が堪らないのだ。
自分がそんな顔をさせてると思うと、それもまた堪らない。
可愛くて、愛おしくて。
思わず苛めたくなってしまうリヴァイは、唇にちゅ、とキスをすると下着の中へと手を滑らせた。

「ひゃ、や、……アッ、あ、あっ」

胸の時とは比べ物にならない程に感じている様子のエイルを嬉しく思い、器用に服を脱がせれば、ぷくりと膨らんだ豆状の突起を舌でなぞる。
初めての感覚にぞわぞわと鳥肌が立って、エイルはおかしくなってしまいそうだった。

「そ、そんな……とこっ……いや、あ、……ァん、」

舌でなぞりながら、指を秘部へと進入させる。
それに一層大きな声で喘ぐエイルの足を抱きしめながら、ゆっくりと出し入れを繰り返した。
エイル自身の愛液でより一層すべるようになっているそこは、彼女が意識を飛ばしてしまいそうになるくらいに感じていた。

「わ、わたし、もッ、もう……」

その体勢のままリヴァイと目が合う。
なんだこれ、恥ずかしすぎる。
そう思ったエイルだったが、その目には涙がうっすらと浮かんでいた。
リヴァイの理性が、とうとう吹き飛んだ。

「痛かったら蹴ってでも退かせ。俺はもう止まれねえ」
「え、……っ!」

熱くてカタイものがエイルの秘部へと宛がわれる。
エイルが反応する暇を与えず、リヴァイは欲望のままにそれをゆっくりと挿入させた。
濡れまくっている彼女のナカは、暖かくて気持ちがいい。
もしかして身体の相性イイんじゃねえのか、と思いながらリヴァイの腰が少しずつ動き始めた。

「や、いたっ、痛いですっ!」
「言っただろ、嫌だったら退かせって」
「いやじゃ、な、い、けど、いた……!」
「……慣れれば気持ちよくなる」
「ッ、」

嫌じゃないと言ったエイルにもう反論させるまいとエイルの口を塞いだ。
しばらく緩慢な動きで慣らしていけば、痛みが和らぎ快感に変わってきたのか、次第に唇の隙間から漏れる吐息が再び甘いものになる。
その瞬間、リヴァイは速度を上げてエイルの奥まで突いた。

「ああッ!!…………ん、ふっ、あっ、……ああ、……」
「エイル、好きだ、お前が愛おしい」
「あっ、わ、わたし、も、す、好……き……!」

お互いに愛を確かめ合えば、その瞬間絶頂が訪れて。
エイルのナカに熱いものを吐き出して、己のそれが入ったままのエイルの身体を抱きしめた。








…………最終戦の前にこんなことをしてしまってよかったのだろうか。

そう考えるエイルだったが、してしまった行為は取り返しがつく類のものではない。

リヴァイの腕の中の暖かさと自分を見る優しげな表情に心を奪われ、エイルは顔を隠すようにして彼の胸へと頭を埋めた。

そこから眠りにつくまで、時間はかからなかった。




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