微熱



!微エロです。ご注意を!






勿体ぶって頬に触れる

戸惑う瞳の色 変わるのを楽しんで

俺の影が落ちるその瞳の先は己の肩越し

キミには理解(わか)りっこないのだ

心軋むくらいに欲しがるキミ自身のその温もりを



女性が苦手なら 先ずは俺で試せば良い

俺たちはオトコ同士 何をしても間違いは起こらない

肩の力を抜いて 先ずは俺に委ねて

相手のことを知ったら苦手意識もなくなるさ

女としての悦さ教えてやるよ



真っ白いシーツにキミとその髪を広げて

食い入るように視線を這わせても

この千切れそうな想いは届かない

だから 小さくて大きな嘘をキミに囁く



なされるがまま 疑心暗鬼なキミの瞳

うすく開いた唇をふさぐたびに漏れる溜息

身体触れるほど その心は遠く見えなくなる



それでも求めるその温もり

痛みと悦びと哀しみで涙拭えない



何度目? 何度 俺はキミにウソをつく?

その清らかな瞳は無邪気さを忘れてどこか辛辣に細まって



冷たい瞳でも独占していたくてたまらない

あの男を見つめるキミの姿は耐えられない


触れても触れなくても痛いのなら 偽りに酔っていたい



嗚呼 愛しさで身が千切れそう


いっそのことキミの手でこの胸を引き裂かれたのなら

キミの醒めるような赤い瞳から逃れられるのだろうか

その瞳に捕えられて一つになれたのならこれ以上もない幸せなのに





吸い込まれそうなその瞳に渇望して

抱きしめ合い 確かめ合う

愛してるという言葉を絡む舌で転がして



俺はあの男よりもキミを独占できている?

隠しきれない嫉妬と愛しさが胸に食い込んだまま



只のゲームだよ


曖昧に微笑んで 今夜もキミに墜ちていく






copyright c 1997 MOON CHILD 『微熱』

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