SINGLES6


 政宗と佐助とカレは生まれた時から一緒にいた。


 生まれた日も近く、家も近所で苗字も近いために席も隣や前後が多かった。


 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学。

 カレらはいつも一緒だった。


 2人よりも背の低いカレを真ん中にして、3人はいつも笑っていた。


 何も知らないフリをして、この瞬間が楽しいフリをして。



 カレの目には純粋に、2人は最高の友達として映っていたのだろう。


 人を疑うことの知らないカレは、2人の心に渦巻くドロドロとした感情なんて気づくはずもない。



 表面上は仲の良い幼馴染を演じていた2人だったが、カレを想うのと同じくらいに互いを疎ましく思っていた。



 友人としてでもいいからカレを独占したいのに、できない。


 口惜しくて、不愉快で、カレがいなければ口を開こうとすら思わなかった。



 ふとした時にカレが席を立つと、2人は互いがまるで存在しないような態度をとった。



 2人なのに、1人きり。



 そうしてカレが戻ると、いつものように取り繕った笑顔を浮かべるのだ。


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