光抱いて闇に染まる8



 随分と長い付き合いみたいだけど

 随分と付き合いが長いようだが


 旦那を抱いたの?

 アイツと寝たのか?



 いいや

 いいえ


 アイツの整理が出来るまで、ワシは待っているつもりだ

 俺たちの関係はそのようなものではないのです



 そんなことよりも

 大切なのは



 これから先の未来を幸村と歩めることが一番大切なんだ

 ただ、傍にいられれば幸せなのでございます




 1人になったカフェで。

 小十郎の車に乗って。


 佐助は、

 政宗は、


 ぼんやりと思う。



 もし、家康と出会う前に、己が想いを打ち明けていたのなら。


 この気の狂わんばかりな衝動を味わう事はなかったのだろうか?

 この闇を抱えた胸も、カレの光に照らされたのだろうか?



 光にさらされた己の本性はどんな姿をしているのだろう。

 きっと、例えカレを手に入れたとしても、常に不安にさいなまれる醜い姿をしているのだ。



 傍にいるだけじゃ、足りなくなる。

 触れているだけじゃ、足りなくなる。



 カレのその全てを独占したくなるのだろう。

 その美しい光を、己の闇に染めてしまうのだろう。


 嗚呼、それでも。



「……狂おしい」

「……気が狂いそうだ」


 こんなにも、カレを求めているのだ。



 幸せになってほしいなんて、ただのタテマエ。

 他の誰かのモノになるなんて、赦せるはずもなかったのだ。



 だから。


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