共犯1
ケータイサイト様の減少や長期放置には前からしょんぼりしてますが、重ねて自サイトについても落ちててついゴマ様にネガってしまったところ、激励に小説書いて下さり…!
嬉しいサプライズで幸せすぎ(つд;*) ゴマ様の新作を見られるなんて。お忙しいのに…申し訳なくも、本当にありがとうございました(;∀;)
戦国 佐→幸(政→幸&小山田→幸)
テーマ:もし、佐助が忍ではなく戦国武将だったら。
(全3ページ)
綺麗でござるな
そう言って己をのぞきこむ、硝子細工のような瞳に囚われて
己は、〈ヒト〉という仮初(かりそめ)を纏う
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「今回の戦も圧勝でございましたな。お館様もお喜びでしょう」
焚き火にあたりながら、小山田は穏やかな顔で口をひらいた。
「小山田殿の助けあってこその勝利でござった。某も礼を申す」
彼の隣に座っていた幸村も己の補佐役にそう言葉をかえす。
幾度も甲斐を勝利へと導いた幸村は紅蓮の鬼と呼ばれ、その名を轟かせていた。
戦において右に出るものはいなかったが、まだ精神面での未熟さは拭えない。
そのため、信玄は小山田信茂を幸村の補佐役として傍につけさせていた。
「この調子だと明後日には甲斐に到着するでしょう」と言う小山田の言葉を聞きながら、幸村は夜空を見上げる。
星が消えてしまいそうなほどに明るい満月が己を照らしていた。
その美しさに、眉を潜める。
「如何なさった?」
「……満月を見ると、胸が騒ぐ。何故だか分からないのでござるが」
魅入られたように月を見つめ続ける横顔は普段の彼の熱さは影を潜めていて、その熱意の抜けた輪郭はただあどけない。
「少し疲れておられるようですね。今夜はもうお休みになった方がよろしいかと」
そのあどけなさに危うさを感じて、小山田は幸村の肩に毛布をかけた。
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