How Wicked Ruler1
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『佐幸←政 佐助の目の前で、幸村を無理矢理犯す鬼畜な政宗』
男はもがいていた。
薄暗い、敵国の牢屋の中。
身体に纏わりつく鎖をジャラジャラと鳴らせて必死に逃れようと身をよじる。
しかし、それらは虚しい金属音を奏でるだけだった。
「くっ……」
ギリギリと歯ぎしりする唇からは血が流れる。
食事も満足に与えられず朦朧とする意識の中、男はそれでも抵抗を止めなかった。
己をとらえた隻眼の男の歪んだ笑みを想い出す。
あの男は得体が知れない。
このまま掴まっていたら甲斐が、主が危ない。
今までの死闘を繰り広げて来た経験で悟った。
だから、逃げおおせなければ。
一刻も早く主と部下の元へ帰る為に、男はいつまでもいつまでも鎖の音を響かせていた。
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