そらすそらさない1
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『現代 病んでる幸村』
大切な人たちに告白をされた。
子供の頃……いや、それ以前から、ずっと一緒に居た2人に。
はるか過去の前世の時。
1人には命を賭けて闘いたいと渇望し、もう1人には常に共にありたいと願っていた。
平和な世に生まれ変わってから2人との関係は変わった。
けれど、それは前世では成し得なかった好敵手・主従という関係ではなく、友人として対等に歩めるのだと。そう、のんきに考えていた。
カレにとって、2人は確かにかけがえのない存在だった。
2人がいたから、己は過去も今も、未来も生きていけるのだと今でも思っている。
けれど、それは2人が抱いていた感情とは。
違っていたようで。
「もう、耐えられないんだ。こうしてアンタと友達ごっこをしているのを」
「どっちも大切? ねぇ、そんなこと言わないで。俺様は、アイツと一緒になんて、少しも居たくなかった。旦那がいたから、だから一緒に居たのに」
「幸村、俺はアンタを独占したいんだ」
「旦那、他の誰も見てほしくは無いんだよ」
「「アンタが好きだから」」
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