『分別盛り』について


↓ゴマ様の文より抜粋・拝借

『分別盛り』
カミーユ・クローデル(1864年〜1943年)フランスの彫刻家の作品。

類稀な美貌を持ち、若いころから彫刻の才能が花開いていたと言います。
そして19歳の時に『考える人』で有名なオーギュスト・ロダンの元に弟子入りしてから、ますます彫刻の技術を磨いていきます。

しかし、それと同時にロダンと愛人関係になり、その親密さとロダンも認める才能のために、ロダンが作ったのかカミーユが作ったのか分からない作品が出てくるほどにロダンと作風が似て行きました。

カミーユと倍以上歳の違っていたロダンにはローズという内縁の妻がおり、ロダンはカミーユと愛人関係を続けながらもローズと別れようとはしませんでした。

サロンでは「ロダンの模写」と酷評を受けて、愛する人は一向に妻と別れてくれない。そんな苦しみに耐えられずにロダンと決別するも、待っていたのは作品を認めてもらえない極貧の生活。

当時は女性の芸術が認められることがとても難しい時代でした。パトロンもつかず、かさむ借金の中で石を刻みながらひたすらにロダンを憎み続けて、ついに40歳手前で発狂。

精神病院に入ると「ロダンが私のアイディアを盗みに来る」と言って一切彫刻をしようとはせず、作品のほとんどを自身の手で砕いてしまったそうです。
その後亡くなる78歳までの間、一度も外に出ず、石を刻まず、ロダンを憎む続けて生き、最期は家族に看取られることもなくこの世を去ったそうです。

「あの美しく誇り高い女がこんなふうに自分を描いている。嘆願し、屈辱を受け、ひざまずき、裸で。すべては終わった。彼女は私たちの前に、こんな姿で永遠にさらされているのだ。」

と、詩人で外交官でもあった弟のポールが語る様に、この『分別盛り』という作品はカミーユの心情そのものが表わされて気がします。

跪いて懇願する若い女性の元を、老婆に抱え込まれながら去っていく老人。
あまりにも痛々しい作品。

だからこそ、写真や映像でさえも見ると胸にグッと響くのだと思います。

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