スウィートロングラン1


ゆお様、相互ありがとうございます♪

「慶幸か佐幸で甘々」

→慶幸をチョイス。(大学生設定)

ずっと書きたいと思ってたので、素敵リクに大感謝です!佐幸は、きっとまた^^

ストーリー性ほぼなしの、超バカップル新婚無敵状態(当サイト比で)。相思相愛のつもり。そんな二人のやり取りがほとんどで、ウザかったら本当に申し訳ない。慶次、はしゃぎ過ぎ(^^;

※チュウ程度の、微々破廉恥描写あり。
※タイトルは書いてないですが、実際にある映画(2011年公開)の話を少々拝借。この先観られる方には、本当にすみません;

慶幸の甘々大好きなんですが、初めて書いたこんな雰囲気なので、非常に不安; 私利私欲だらけ、でも愛だけはぶっこみました。


(全5ページ)














(あー、さっぱりした!)


まだ夕方だが、早めにシャワーを浴びた慶次。入る前にリビングの冷房をつけていたので、涼しさに喉を鳴らす。

冷たいお茶を飲み終えると、リビングに接している部屋のドアを開けた。中にもエアコンは付いているが、ここからの冷気の方がちょうど良い気温にしてくれるので…

そこは同居者の部屋で、慶次の方はその隣である。この家は、ここから少し離れたところに住む慶次の叔父の物で、使わないからと渡してくれた。
慶次が入った大学がこの家からすぐ近くであるし、元々将来彼に譲るつもりだったのだ──と。

去年までは彼一人で住んでいたのだが、今年二年生に上がってからは、大学で出会った同級生とルームシェアを始めた。
ただし、ただの同級生ではなく、去年の秋から『特別』な関係になった相手で、それからの慶次は春が続き通しなのである。



(早く夜になんねーかな…)


恋人となった幸村は、慶次と同じく男。が、そんなものは何のそので、慶次は彼に完全に心奪われており、幸村もまたそうだった。…つまり、絵に描いたような幸せバカップルというやつだ。

今は夏期休暇中の八月中旬、幸村はしばらく帰省していて、やっと今日戻ってくる。慶次はもう、スキップでも始めそうなほどハイテンションだった。

彼の部屋に飾ってある写真立てを手に取り、ベッドに腰を下ろす。写真は、慶次の叔父夫婦と一緒に撮ったものだ。
前列に慶次と幸村が並んで写っており、ヘラッと笑うと、ベッドに横になり眺めた。

幸村は、帰る前に布団を干したらしいが、



(はぁ……)


慶次は目を細め、何より好きな匂いに思いきり浸かっていった。














(慶次殿…?)


久し振りに見る家の様子を窺った後、幸村は彼の姿に瞬きする。てっきり彼の部屋にいると思いきや、自分の方のにいて、しかもベッドで夢の中らしい。

Tシャツに短パン姿で枕を抱え、布団が冷たくて気持ち良いのか、脚で挟むようにし横向きで寝ている。

『大きい子供のようだ』と幸村は吹き出すが、彼の手元にある物に気付き、「!!」と、慌ててそれを拾った。


(みっ、見られておらぬよな…!?)


裏面のフックは、しっかり掛かっている。
実は、幸村はその下に別の写真を入れており、上から、次に気に入っているこれを被せていた。
…もちろん、慶次と二人だけの写真で、そんなことをしているなんて彼にバレれば、恥ずかしさで死にそうな心地になるのは必至。


「ッ!?」

突然身体が揺れ、写真立てが布団に転がった。


「けっ、けぃ…ッ」
「お帰り〜、幸!!」

ボケッと立っていた腰を掴まれ、幸村は一瞬で、慶次の隣に同じく横になっていた。
慶次は、幸村の身体に腕を回し、


「あーもう、やっとだよ…!超待った!超会いたかったよ、もー!!」
「のわわっ…、け、慶次どの…っ」

しっかりと抱き締められ、そのままゴロゴロ転がる行為に、幸村は恥じらいも加わり目が回る。


「しっ、しかし、たったの二週間…」
「すっ──げぇ長かったぁー…俺、寂しさで死ぬとこだったって」
「そ、そんな…」

真面目な幸村は顔色を変えるが、


「そんくらい、会いたくてしょーがなかったんだよ。やっぱ、電話だけじゃ全然足んなかった」

慶次は笑うと、「でもごめんな?もっと居られたのに」

こちらでの用事も特にないのに、幸村は二週間も向こうに滞在しなかった。…のは、慶次が原因であるに違いないので。


「あ、いえ!初めから盆過ぎには帰る予定でしたし、親戚も仕事があるので、」

「〜〜…ッ」
「っ、慶次殿?」

さらに込められる力に、幸村はあわあわと顔を染め上げるのだが、


「幸、こっちのこと『帰る』って」
「…ぁ……」

嬉しそうに笑う顔に、幸村の頭は一瞬冴え、


(そんな些細なことが、そこまで…)


だが、彼の胸にも歓喜の花が咲くのだから、慶次のことを言える立場ではない。




「改めて、お帰り。…幸」
「──ただいま…でござる。慶次殿…」

目を細めた慶次が優しく囁けば、幸村も同じように微笑み返す。


「………」
「………」

戯れの末、幸村は慶次の下で、彼の腕の中にて見上げる形になっていた。

幸村が目を伏せると、慶次も同様に視線を下げる。


…二人の瞳が閉じられ、静かに唇が重なった。











笑みに照れを浮かべ、慶次は幸村から離れると、


「飯食いに行こっか!」

家の目と鼻の先に喫茶店があり、二人は夕食をほとんどそこで済ませていた。

慶次が店のマスターと親しく、良心価格で栄養バランスのとれたメニューを提供してくれるので、料理に不慣れな彼らは非常に助かっている。
しかもマスターは『オネェ』で、二人の関係を見抜き、応援までしてくれているのだ。


「あ、それがですな…実家から持ち帰ったゆえ、良ければ」
「うっわ、旨そー!良いの?」

もちろん、と幸村は笑って、色んなおかずが入ったタッパーを開け、皿に移していく。

慶次はそれを窺いながら、


「なー…、何か気付かない?」
「え?」
「家。行く前と違わねぇ?」

「あ…」

幸村は頷き、「はい、驚き申した。部屋だけでなく、台所まで綺麗に…」

もとよりそこまで汚れてはいなかったが、台所のシンクや排水溝はピカピカに、テーブルの上も綺麗に片付いていた。
(主に、慶次が飲み散らかした酒の缶が転がっていたのだが)


「だろだろっ?掃除機もかけたし、風呂もピッカピカなんだぜ!?あ、お湯溜めて来るな!汗だくんなってさ、俺もうシャワー浴びたから」
「──えっ、」

幸村は慌てて慶次の袖を掴むと、「慶次殿が掃除を…!?」


「俺じゃなきゃ、誰がすんだよ〜。まつ姉ちゃんが、わざわざ来てしてくれるわけねーだろ?『自分でおやりなさい!』って怒られるのがオチだよ。てか、あんな状態(酒)見せりゃ、それこそ──」

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