三年目の○○○?1


けむ様、相互ありがとうございます♪

社会人佐助×大学生幸村

素敵リク「佐幸で、些細な事でケンカしたけど…(雰囲気・設定はお任せ)」

いつもの如く、オチ隠しをば(^^;
しかし、よめる展開。
リクは素敵なのに、ストーリー性ゼロ(><)
けむ様、申し訳ございません…!(泣)

ほのぼの・微ギャグ・微シリアス
描写ないけど、大人な関係。

犬も食わないアレです。被害者は読者様。
二人のやり取りがほとんど;

今まで書いた中で、一番恋人らしい気も。
けむ様の描(書)かれる爽やかな佐幸には、程遠くなってしまいました(;_;)


〈全5ページ(実質4p強)〉














「お帰り。ご飯、できてるよ」
「…すまぬ」


時刻は、夜の八時半を過ぎていた。

幸村は大学生で、特に咎める必要のない時間帯ではあるが。



(………)


佐助の心中は、少しだけ面白くない。

以前までは、佐助の帰宅を待っていてくれ、二人で夕飯を作るなどの毎日だった──ので、尚更。


佐助の方は社会人で、二人の付き合いはもう二年以上になる。この部屋を借りて、一緒に暮らし始めてからは一年。

大学の入学式で、まだ在学中だった佐助が幸村に一目惚れし、今に到る。
これ以上に相性の良い二人はいないだろうと、自他ともに認めるほどの、睦まじさであった。


「学祭の準備、終われそう?」
「、──あ、何とか…」

「良かった。…ほら、食べよ?こないだ録ってもらったやつ、見ようよ」
「え?」

「旦那に頼んだでしょ?やっとテレビでやってくれたからさー…」

と、リモコンでその映画のタイトルを、録画リストから探すのだが、


(あれ…?)


見当たらず、佐助は首を傾げる。

もしや、と幸村を見ると、彼は固い表情で目を泳がせていた。


「…す…、ま…」
「ああ、いーよいーよ。また借りりゃ良いんだからさ。旦那最近忙しいのに、つい俺様が甘えちゃって」

「………」

だが、幸村は落ち込んだまま。



「…だんな」
「っ!」

佐助が軽く抱き寄せると、幸村の頬はたちまち染まり、


「さ、佐助っ…」


──その反応に、気付かれないよう安堵する佐助。きっかけは怒りであっても、彼が普段通りになるのなら何でも良い。

…もっとも、それだけでは終われないのも、よく分かってはいたのだが。



「ご飯は温め直せば良いし。…ね」
「〜〜っ、」

真っ赤になるが、抵抗せずに佐助に従う姿は、何年見ても飽きることがない。

その度に愛しさが溢れ、応えてくれる気持ち以上のものを、無限に与えたくてたまらなくなる。


今夜も、そんな想いを再び伝えるかのように、熱くて甘い愛を捧げ尽くす佐助だった。















(旦那、昨日も可愛かったなぁ…)


思い浮かべるだけで口元がニヤけそうになり、朝から抑えるのに必死だった。


佐助の勤める会社は、二人の愛の巣(←佐助だけが使う名)や大学から少し離れているが、電車を使えばすぐの距離。

社風や社長に始まり、社員も変わった気質の人間が多く、佐助の見てくれのような者でも、気兼ねなく働くことができる。

そこそこ安定した給与、残業の少なさや、男性の独身者が多く、そういったものが仕事や昇進に無関係なところも、実に気に入っていた。


陶酔しながらも、仕事はサクサクこなす。昼休み前には、ノルマ以上の量をやってのけ、さてお昼にしようと社を後にした。

親しい同僚と食べることが多いが、今日はたまたま誰もが不在。なので、佐助は行きつけの店へと、一人足を運ぶ。



(学祭、やっと今週かー…)


土日で仕事も休みなので、佐助も顔を出すつもりでいた。

そのせいで幸村の帰りが遅いのは気に入らなかったが、もうすぐ元の生活に戻ると思えば、機嫌も快方に向かうというもの。

それに昨晩だって、


(いつも以上に可愛くて色っぽい反応してくれたし、何回も名前呼んでくれて、…アレもしてくれたし、それから…)


──結局、夕飯のおかずは今日の朝食になってしまった。




「…最近帰り遅いしでさぁ。昨日も、十二時前とかで…」


似たような境遇の台詞に、ふと耳が傾く。

佐助と背中合わせの席に座る女性が、連れの友人たちに愚痴をこぼしているようだった。


「何か、ボーッとしてるし。疲れてんのは、分かるけど…」


(──そうそう、分かるけど…。できたら、構って欲しいよねぇ。こっちが聞かなきゃ、何も話してくんねーんだもんな、学祭の準備のこととか)


そういうのがあれば、幸村の大変さもよく分かり、日々納得できるというものなのだが。


「こないだなんか、買っといてって頼んだやつ忘れて帰って来るしで…てかさ、数分前に電話で言ったのに、普通忘れる?話聞いてもなかったんだよ、絶対。もー…」


(…確かに、あれにはちょっと驚いた)


さらに、軽くショックでもあった。

あの映画は、元々二人とも楽しみにしていたのだが、上映中には観に行けず──で、きっと幸村も喜ぶだろうと…


(でも、あんな顔されちゃな…)


『ムカッ』よりも先に、『むらっ』としてしまうから、ダメなんだよなぁ…と、またニヤニヤが出そうになる。



「そりゃ、完璧浮気だね」
「うん、違いない」


(…え゙…)


水を飲もうとした佐助の手が止まる。



「やっぱ、そう思う?怪しいとは思いつつ、気付かない振りしてたんだけど」

「いや、ここは思い切って調べてみるべきよ」
「残業とか出張とか、ホントにそうかなんてすぐ確かめられるし。まずは、それからだね」

「だよねぇ…」



(えぇぇぇぇ…っ)


佐助は、意外にも冷静な女性の様子に、にわかに驚く。

…自分が同じ立場であれば、こんなに落ち着いてなどいられるはずがない。

自分ならきっと、



(──って、…まさか…)


ふとよぎった考えに、佐助はまたもや止まってしまう。

が、


(…や、あり得ないから)


すぐにそれを振り払い、運ばれたランチを食べ始めた。


それは、ない。断じて、あるわけがない。
あるとすれば、佐助の方がその可能性が高…『かった』。数年前までならば。
幸村に出会ってからは、そんな気など一度も沸いた試しがないのだ。

これから先も、ずっと変わることなく。


(旦那だって、絶対…)



「──浮気なんて、できるタイプじゃないと思ってたんだけど…」

「そーいう人のが、一番予測不可能だよ?」
「…てか、そうじゃなくてさー…」

「え?」

戸惑う声に、佐助の耳も集中する。

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