塞がれ募るは、1


ゆず様、ありがとうございました♪

素敵リク「佐幸の学パロ、佐助目線」

→高校生。捏造脇役数名も登場。

シーン切り替え多し、※長文。詰め込み状態の乱文につき、どうぞお時間のある際に;

本当はイチャラブな話にしたかったんですが、設定により実現せず(><) 明るいですが、ちょいと切ないような。シリアスもどき、微ギャグほのぼの。色気少なし。

佐助側だとどうしても佐→幸寄りになるのを避けられず、佐幸感を出したく足掻いていると、こんな距離関係になってしまいました;

で、学パロリクなのだからと、入れたい要素を欲張った結果、シーン入り乱れ長文に…。
ゴールまでが長くて苛々するかもで、本当にすみません(;_;)


〈全6ページ(強)〉













自分でも薄々気付いてはいたのだが、その日の俺様は、会う友人全員に指摘されるほど、相当に上機嫌であったらしい。



「…やっぱ、男子校なんざロクなもんじゃねーよなぁ」
「今さらしゃーねぇじゃん。こないだ合コン行ったんだろ?」
「良い結果なら、即言ったって」

そう嘆くと、友人たちは自分の方を向き、


「猿飛って、せっかくモテるのに彼女作んねーよなぁ。もったいね〜」
「てかさ、お前何でここ来たの?聞かれたんだけど、こないだの女に」

「えー?」

俺様は、一瞬だけためらうと、

「校則がすごい自由じゃん。勉強してりゃ、ピアスも髪も、何しても良いとかさぁ」


(…本当は、制服が気に入ったのが一番の理由なんだけど)


それはさすがになので、伏せておく。
「まーなー、そこだけはなぁ」と、友人らは頷き合うが、


「そういや、知り合いが入ったんだよな?あの、スゲェ強ぇっていう幼なじみ」
「そーそー」

今日は入学式で、晴れて自分たちにも後輩ができた。

幼少時から最も付き合いの長い彼も、この学校に合格。これからまた、以前のように一緒に通学するようになる。



「真田幸村でござる!佐助がいつもお世話になっておりまする!某とも、どうぞよろしくお願い致しまする、先輩方!」

「………」
「………」

友人たちの呆気にとられた顔に、まぁ無理もないよな、と忍び笑う。
バカでかい声に、この言葉遣いであるしで…


「ちょいちょいちょい…猿飛くん?」
「え?」

友人らは、俺様の幼なじみを両側から挟み並ぶと、


「これのどこが怪力?どこが『旦那』?」
「こんな細っこくて、木から落ちたり不良に絡まれて無傷?」

「むっ、『これ』とは失礼な!真田でござる」
「あ、ごめん」

謝りはするが、彼らはまじまじと旦那を見るばかり。
俺様は小さく笑うと、「人は見かけによらないって、俺様で学んだでしょ〜?」

こう見えて、俺様も旦那に負けないくらい、運動神経も力も人並み以上。それを思い出させてやると、飲みにくそうではあったが納得したようだ。


「いや、あまりにイメージと違ったからさ。もっといかつい奴かと思ってた」
「なぁ。こんな……美少年だとは」

「へぇ?」

俺様は吹き出し、「美少年?」と、笑いが止まらなくなる。


「いやいや、普通にイケメンだろ」
「てより、可愛い系だよなぁ。モテるだろー、真田くん」

「?何をでござるか?」

『持てる』と勘違いしている旦那。
友人らはキョトンとしたが、それに気付くと、


「しかも天然かよ!うーわー、すげぇ意外!お前が、こんなタイプとダチとか」
「猿飛なんかといて、よくそのままでいられたよなぁ」

「ちょっとアンタら…失礼でしょーが」

が、俺様を思い切りスルーし、二人は旦那に自己紹介をしていた。
「分かんないことがあったら、何でも聞けよ?」などと、頼れる先輩風を吹かせば、


「ありがとうございまする!何とぞ、よろしくお願い申す!」

綺麗な姿勢で頭を下げる旦那に、満足げな表情を浮かべ、「うむ、苦しゅうない」「愛い奴じゃ、近う寄れ」などと、すっかりノリノリだ。



(…口調の方には、ビビらないんだ)


面食らったが、それよりも戸惑ったことを抱きつつ、友人と別れ旦那と二人で学校を後にした。











『美少年』に、『イケメン』に……


帰り着いた旦那の家の前で、吟味するよう彼を眺めていると、


「?佐助…?」

旦那も、俺様を窺うように首を傾けてきた。
大きい瞳がさらに丸くなり、これは小さい頃からほとんど変わらないなと、ふっと浮かぶ。

こんな感じだし、『変わってるけど良い奴』って、結構人気者だった旦那だが、


(…あんな風に言われたのは、初めてだったよなぁ)


『マジかっこいーぜ真田!』ってのは、体育関係で見せ付ける並外れた体技への称賛で、『可愛いねぇ』は、よくお年寄りから言われてたけど、小さい頃の話で、赤ん坊に対するのと同じような意味だろうし…


「どうした?」
「──や……旦那、よく我慢したなーと思ってさ。『可愛い』とか言われたのに」

ああ、と呟き、意外にも旦那はムッともせず、


「良い意味なのだろう?お前も、いつも言うし」
「…ぁ、…まぁ……」
「『好ましいからだ』と、そう言っておったではないか。それで、嬉しかったのだが…」
「──え、あいつらから好かれて?」

思わず怪訝な声で聞き返してしまい、自分でも驚いたが、旦那はもっと当惑した顔になっていた。
そりゃそうだ、と後悔しても、すぐには良い弁解が出てこない。


「佐助の友人なら、好かれた方が嬉しいに決まっておる…」
「……あぁ。そーいう意味なら…」


──って。

どーいう意味よ、と自身にツッコみながら、自分の気持ちを整理してみる。

旦那は、(黙ってりゃ)確かに美男子だ。でもって、どちらかと言えば可愛い系であるのは事実だろう。…だけど、それはあくまで外見のことで。

本当に『カッコいい』のは、古臭い武士みたいな男気とか真面目さや、どこまでも優しい、その…
で、『可愛い』のは、この首の傾げ方を自然にやってみせるとこや、(確かに)俺様みたいなのの傍にずっといても、未だに純粋で天然で、一緒にいるとこっちまで何か、



「…だから、そーいうのを知らない奴らに、言われたくねーっつーか、」


(……でも、それを知られて好かれるのは、もっとヤだな…)


ブツブツやってると、いよいよ旦那の顔が曇り出したので、「何でもない」と早々にごまかした。



「明日からは、世話になるな」
「まぁ何回も言うけど、俺様のためにもなるしさ」

申し訳なさそうに旦那が口にしたのは、昼の弁当の話。中学校までは給食だったのが、これからは必要となるわけで。

うちも旦那んとこも母親がいないので、俺様が彼の分も作ると申し出たのだ。


料理は得意なものの、自分だけのためには作る気がしない。
学食やパンの生活も飽きていたところだったので、実際良いきっかけだった。

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