咲かせる毒にて1


冬眠様、ありがとうございました♪

「幸村総受けで、芸能ネタなどいかがでしょう?幸村は一般人で」

政、慶、親、家、幸、佐。小十とその他が、ちょっぴり。※かなーり長文

芸能人設定…なだけで、全く生かせられてないです。とても薄い背景。低知識(--;)
やってることは、いつもと変わらない気が;
キャラによって、違う分野の芸能人に…にもできませんでした(´`)

キャラ捏造&崩壊、著しいです。
出番はまちまちですが、全員につき愛は注いだつもりです。心意気だけは。
謝りどころあり過ぎて、全てすみません。

ほのぼのギャグ、甘…?な感じです。


(全8ページ)













伊達政宗、前田慶次、長曾我部元親、徳川家康、の四人は、同じ芸能事務所に所属する俳優仲間だった。

二十代前半でまだまだ若輩だが、この世界にデビューしてからは、一応六、七年になる。
入った時期も歳も同じ頃ということで、お互い忙しくはあるが、連絡を頻繁に取り合い、その付き合いも長く続いていた。

この夏、某テレビ会社の開局五十周年記念映画の長期ロケに、郊外の自然豊かな土地が選ばれ──それに出演する四人も、そこへ何日も缶詰状態になることが、決定。
彼らは、同窓会気分も味わえるしで、テンションは倍以上である。


今日は、全員がオフになる貴重な一日で、マネージャーたちに無理を言い、四人だけで遊びに出た。

車を借り(なければ、他に移動手段がない)、ドライブをするのだが、まぁ見事に何もない。
たまに、観光地のような場所へ降りてみるも、若者は少ない上、…彼らが心踊るような女性には、全くお目にかかれない。

せっかくの休みなのに、と政宗と慶次は嘆くが、


「まぁまぁ、たまにはこういうのも良いだろう?ワシは、お前らとゆっくりできて、充分嬉しいよ」
「だいたいよぉ…こんなとこ来てまで、んなこと考えねーだろ、普通。お前ら、ホントパワフルな」

と、家康と元親は苦笑気味。


「だってさぁー、もう長ぇことそんなのに遭ってねーし…過密ロケのせいで、俺フラれちゃったんだぜ?」
「Ha、またかよ?お前なぁ、そりゃ仕事のせいじゃねーだろ。いい加減、気付け?プレイボーイの真逆にいるっての」

「何だよ〜」と口を尖らせる慶次だったが、「おっ♪」と窓の外を見て、


「可愛い子、発見!元親、車寄せて」
「Ahー…?ガキじゃねーか」

「そうかなぁ…細いだけじゃん?元親と家康、好きそう。二人とも、ロリ好きだから」

「慶次、降りてーのか?」
「ひどいな、慶次」

本気でキレる元親と、情けない声を出す家康だったが、


「おーい、そこのあんた!ちょっと、道聞きてぇんだけど!」



──マジで、いきやがった。


三人は心の中で同調し、溜め息をつく。

が、そんなものに一切気付かない慶次は、助手席の政宗に、


「ほらっ、『本物のプレイボーイ』さん、頼むぜっ?」

そう言うと、近付いて来たその彼女に、彼の顔を向かわせた。

が、しかし。



「どちらに行かれますので?」



(……お、男ぉぉぉ…っ!?)


近付いてくる際にも、『てより、中性的な顔だな…』と感じていた彼らだったが、声を聞き愕然となる。

少々の期待もあった分、そのやるせなさと言ったら。
政宗は、適当に聞いてすぐに手を振るつもりになるが、


「目がお悪いのですか?」

彼からは眼帯は見えていないようだが、どうも、政宗がかけているサングラスのことを言っているらしい。

念のためのものだが、日差しが強いので、ここではもう癖のように着けていた。元親も同様で、慶次は長髪を背に隠しキャップを被っているし、家康はダテ眼鏡。

すぐにバレてしまうものだが、やり過ぎる方が悪目立ちするので、いつもこの程度の鎧しかまとわない。


その少年は、まじまじと政宗や、他の三人を窺ってきた。
目がきらきらと大きく、…よく見てみれば、アイドルでも充分通用しそうな顔付き。

男であると分かり衝撃だったが、遠慮なく目をくりくりさせる行動に、何故だか、残念に思う気持ちが消えていく。


「Ahー…いや、こりゃ違う。別に、目は悪くは、」
「では、」


(な…っ?)


政宗は唖然とするが、彼は奪ったサングラスを畳み、


「人に向かう際は、こうするのでは?」

と、不思議そうに小首を傾げ、それを手渡した。


「………」

彼は咎める口調ではなかったが、政宗も他の三人も、何やら硬直してしまう。
…例えば、小学校の先生や、親に小さい頃叱られたとき、のような。

(元親は、こっそりとサングラスを外していた)



「…あ…」

彼らの素顔を見て、ようやく分かったのだろう。

少年は、目を丸くしながら、


「もし、や…


…都心の方から、おいでになられたのですか…っ!?」





「…Ah?」
「はい?」


(──なに?)

都心?


…確かに、自分たちは、そこからやって来た者に違いはないが。


が、彼は頷かれたのだと思ったらしく、

「ああ、やはり…!この辺ではお見かけしませぬし、」


「あ、あのー…、ちょ、ちょっと」


(うっそだろー…俺らの顔、知らねーの…?)



「「「………」」」


(こいつらはともかく、俺はぶっちぎりで有名だってのに)

(何か古くせぇ喋り方だし、旧家の坊っちゃんで、テレビ見たことねーとかかぁ…?)

(…そんな風にも、見えないけどなぁ)


四人は、戦き彼を凝視するのだが。

彼は、そんな彼らを一人一人確かめるように見ていくと、ほー…っと息を吐き、


「さすが、都会の方だという容貌をされておりまする。某、このように見目麗しい方々とお会いしたのは、初めてで…!いや、驚き申した!」

宝石か何かでも見るような、うっとりとした目を輝かせた。



(『み、見目麗しい』…って)


容姿への称賛など、飽きるほど聞いている四人。
…であるというのに、どうしてか初めて言われたとき(なんて、覚えてはいないが、)のように、胸がくすぐられた。



「あのさ、」
「く、車に乗らないか?一緒に、ここを案内してくれると…」

慶次が言いかけたのを引き継ぐ家康だったが、「え…」と少年に戸惑われ、慌てて、


「ああ、いや!ワシらは怪しい者ではなくて」
「うんうん!何なら、俺らも歩くし」

「車はどーすんだ?」
「後でまた戻りゃいーじゃねーか」


「あ、あの…某は、」


聞いてみると、夏休み中にするはずだったアルバイトが、状況が変わり、契約反古になったらしい。

それで、他のものを探し、今日来てくれと言われても良いよう、街に近いこの辺で、ケータイからかけてみようとしていたのだ…、と。

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