プレミアムナイト1
匿名様、ありがとうございました♪
現代パロ【
メリーナイト@
】(小十幸?)の続編リク。
政、小十幸。ほのぼの、クリスマス背景。
(前回同様に兄弟多めですが、こじゅと幸の絡みも後半に)
素敵提供ネタ「小学校に上がった幸村が、友達の影響で…」あとは隠し。流れやオチはby管理人なんで、かなりひどい。どうか広いお心で…
九万打からキリ番お休み中なんですが、温かいお祝いコメントに、良ければお礼を…と。本当に嬉しくて!が、こんなものになり大変申し訳ないです;
前作が短文だったので、短くできました^^ ※前作の幸村は、年長組5才(早生まれ)だったってことで。
(全4ページ)
新しい家族が増えてから、二度目を迎えるこの季節。
学校行事による振替休日に、政宗は使用人たちと一緒になって、朝からクリスマスの飾り付けをしていた。
家の前の広い庭園に電飾やオーナメントを施し、一際大きい尖頭樹は、巨大で立派なクリスマスツリーへと変わる。
「坊っちゃん、びっくりするでしょうねぇ」
「Ahー、去年はここまでしてねぇもんな」
幸村も小学校に上がり、一回り大きくなった。彼の成長に、両親や政宗を初め、周りの大人たちの溺愛度は上がっていく一方だ。
……………………………
部屋に戻り、弟の帰宅を楽しみに待つ政宗に、小十郎がコーヒーを淹れた。
「お疲れ様です」
「Ahー、thanks…」
しかし、政宗は彼の顔に眉をひそめ、
「どうした、小十郎?」
「…あぁ、外を見ておりました。喜ぶ顔が、目に浮かびまするな」
「じゃねーだろ。……幸村のことか?」
「──…」
いつもなら悟られない小十郎だが、それほどその顔は分かりやすかったのだ。
「何だ、遠慮しねーで言えよ」と言うと、彼は真面目な顔で躊躇した後、
「気のせいだとは思いますが、最近消沈しているような…」
「はァ?」
政宗は笑い飛ばそうとしたが、
(…そーいやこいつ、俺より幸村見てんだよな……)
政宗は思い直し、「まさか、学校でハブられてんじゃ…」
「いえ、それは決して!ご安心を」
「そうか……つか、お前聞いてねーのか?」
「…自分に話すとは思えません。兄である政宗様になら、きっと…」
「あのなぁ…だから、そこまで気ィ回すなって。あいつは、誰よりお前が……」
と説得するも、彼は考えをビクとも変えなかった。
「──わーった、俺が聞くよ。お前の思い過ごしかも知んねーしな」
「はい…申し訳ありません」
お願いしますと頭を下げ、小十郎は自身の仕事(菜園など)に戻っていった。
「あっ!あにうえ!」
「おぅ、お帰り」
家の前の道で待っていた政宗に、「ただいまでござる!」と幸村が笑顔で駆け寄る。
下校仲間の友達との別れを見届けた後、政宗は幸村の手を取り、
「幸村、ちょっと目ぇつぶれ?」
「目を?」
「良いっつーまで開けるなよ…?」
「なんでござるか〜?」
政宗の表情から、『良いもの』と察した幸村。期待に頬を染め、ギュッと目を閉じた。
政宗も内心弾ませながら、庭園の中へ幸村を連れると、
「O〜K〜。開けて良いぞ」
「はいっ………、ぅわぁぁ…!?」
丸く開いた両目と口を見て、「どーだ?」と政宗は鼻を高くする。
「すごいでござらぁぁ!がいこくのいえみたいでござる!」
「だろー?夜になったら光るから、また後で見せてやるよ」
喜ぶ顔に満足すると、政宗は「そーだ」と、
「今年は何を頼むんだ?早めに言っといた方が、Santaも助かると思うぜ〜?」
「………」
「幸村?」
無言で家に入る彼に、『え、もう見ねーの?』とショックを受ける政宗。
幸村は自室にランドセルを置き、勉強机に着いた──が、何をするでもなく座ったまま。
政宗は、朝聞いた小十郎の言葉を思い出し、
「どした…?何かあったか?学校で、嫌なこととか」
「………」
「じゃ、何だよ?俺、何か悪ィこと言ったか?」
「…ちがぅ……」
「──なら教えてくれよ。…お前がそんな元気ねぇと、心配で病気になるかも知れねーなぁ…俺」
「ぇ…!!」
幸村は目を見開き、途端オロオロし始めた。よし、言ってくれるなと確信する政宗。
が、それでも幸村は言い辛そうに、
「ともだちに……サンタどのはおらぬといわれました…」
(……げ……)
青ざめる政宗。
まさか、こんなにも早くその日が来るとは、思ってもいなかったのだ。
幸村は、じわじわと潤んできた目に声を震わせて、
「プレゼントは、ちちうえやははうえたちがくださっておるのだと……」
……………………………
『で、でも、それがしサンタどのに文…てがみをだして…』
『それも、おとーさんたちがやってるんだって。みんなうそついてるんだよ』
『サンタはがいこく人なのに、日本のオモチャしってるわけないじゃん。一人だけで、せかいじゅうの子どもにくばれるとおもう?』
『そんなに大がねもちなら、せかいせいふくしてるよぜったい』
……………………………
「…それで……」
とうとう幸村は涙をこぼし、服の袖で拭う。が、反対側からも流れ、小さい嗚咽が漏れ始めた。
(Shit…冷めたガキどもが…)
政宗も大概生意気な子供だったが、自分なら幸村のような友達には絶対言わない。…と思ったが、気を引きたくて言うかも知れない。『大人』だと思われたくて。
ついそっちに気が向きかけた政宗は、『違ぇ違ぇ』と、
「あのな、そりゃ奴らが間違ってんだ。サンタはいる。じゃなきゃ、こんな有名にならねーよ」
「…でも……」
「これ、言ったらそいつらに悪ィから内緒だぜ?…つまり、サンタにプレゼントをもらえるのは、『本当の本当に良い子』だけなんだよ」
で、もらえる子ともらえねぇ子が出てくるわけだ。だが、親は可哀想で見ちゃいられねぇ。だから、心配な親は子供がもらえなかったときのために、一応買って用意してんだ。
「そいつらは残念ながら、Santa基準を越せなかったんだな…」
「…ほんとうに?」
「俺がお前に嘘つくわけねーだろ」
その言葉には頷く幸村だが、まだ完全には信じていないと見える。
政宗は、少々思案すると……
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