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佐幸で、エイプリルフール。(高校生)
お館様も、ちょっぴり登場。

4/1企画お題を借りたサイト様のリンクを、最後に貼らせて頂いてます^^

サイト開設した頃からつけてたネタで、前拍手文に似た部分がありますが、全然別物なので(^^; (しかも、予定と全く違う話に;)

旦那によって一喜一憂する佐助。
いつもな感じで、すみません;
前半ヘコむけど、佐幸オチです。

ものすごく恥ずかしい…ような。ああ…


(全2ページ)














春の暖かなある日。

朝食も片付けも洗い物も済ませ、掃除、洗濯、ついでに布団も干した。


…だが、俺様の気分だけは少しも晴れない。



(人の気も知らないで…)


目の前に敷いた布団の中では、自分と旦那の父親とも言える存在、お館様──大将が、高イビキをかいて眠っていた。

こんな麗らかな日に朝帰り、それもぐでんぐでんの泥酔状態。イイ歳こいたオッサンが…と果てしなく呆れるが、初めてでも珍しいことでもないので、今さら驚きはしない。

またしても、彼の親友であるあの麗人の仕業だろう。とてもそんな酒豪には見えないのだが、大将と違っていつもケロリとしているのには、畏怖を感じるほど。

俺様と旦那は高校生で、春休み。
大将も、今日は休日。

…旦那は、朝早くから出掛けた。



(あー…何か、俺様も眠くなってきた…)


眠る大将の隣に、ゴロリと寝転がる。

畳の上が心地好く、日が射す暖かさについまどろんでしまい…











「──け、…さすけ…っ!」


(んん…?)

やかましい声に眉をひそめ、目を開けると、


「!良かった!全然起きぬし、こんなところで…、倒れたのかと…っ!」



(旦那…)


あわあわと泣きそうな顔で、自分を窺っている。
一瞬戸惑ったが、


(…そういや、今日って四月一日…)


起き抜けのぼんやりした頭だというのに、ふいにそんな意地悪な考えが浮かんだ。
旦那は、エイプリルフールなんて、言われなきゃ忘れてるだろうし…


(まぁ、信じるわけないけど)


だが、そういうのを軽く覆してくれるのが、彼だ。半分だけ期待しながら、

俺様はパッと起き、


「ぬおおぉぉぉッッ!!?」


「!?さ、佐助っ?」

突然の絶叫に、さすがの旦那もキョトンとしている。
当然か、と笑いを殺しながら、


「ゆ、幸村、大変じゃあァ!どうやらワシと佐助、入れ換わってしもうたらしい!」

「え」


(なーんて。いや〜、しかし大将の真似、なかなか上手いんじゃない?俺様)


どーだった〜?と、笑おうとすると、


「えぇぇぇぇぇ、まままことにござりますか、おおお館様ぁぁぁッ!?」




──っえ、



(し、信じちゃった?)



確率は五割だと思っていたが、改めて彼の純粋さというか…何やらに、驚かされる。


…けど、それならそうで、とことんやってやろーじゃないの。

内の笑いは決して漏らさずに、


「ぬぅ…、佐助に声を掛けられたところまでは覚えておるんじゃが…、頭に強い衝撃が…、そこからは、」

「なるほど、佐助が足を滑らせ、お館様の頭に…!何たることを、佐助の奴め…っ」


(ちょ…)


思わずピキッときたが、…どうにかこらえる。


「おいたわしや、お館様…っ、事故とはいえ…!そのような貧弱な身体では、いつもの半分も力が出せますまいっ!殴り愛も──ああぁ、悪夢でござるぁぁぁぁ!!!」


「………」


…悪夢はこっちだわ。

あれ、楽しむつもりが、何でこんな目に遭わなきゃなんねーの。嘘でしょ。


「どうすれば、元に…?…やはり、同じショックを与えるしか…」


『ガシッ』


旦那が、俺様の後頭部を掴む。──まさか。


「ま、待てぃッ!お主の手を借りずとも、己でやれるわ、馬鹿者ぉぉォ!!!」

「!も、申し訳ございませぬ…ッ!」

旦那は慌てて離れ、

「早く元にと、つい…」


(……)


シュン、となった彼を見て、俺様の口からは考えるより先に、


「…のう、以前より尋ねたかったんじゃが、お主…ワシと佐助、どちらをより好んでおるのじゃ?んん?」

「……っ!」


これは、あれだ。


“ねぇ、お父さんとお母さん、どっちが好き〜?”

親が、もう一方がいないところで、一度は子供に聞いてみたい、んじゃないかな?…な質問の一つ。


(…俺様は、親心で尋ねたいわけじゃないけど)


ここまで痛め付けられたんだ、一つくらい救いどころあっても良いじゃない。
悪いのは自分ってのは、分かってるけどさ…

悶々しながら、旦那の口が動くのを待っていると、



「お館様に決まっておりますれば!!!」




…もうヤダ。

今日、何でこんなツイてないの。
星占い、一位だったのに。




(二人なんか、殴り愛しまくって、頭もイっちまえば良んだ!バカヤロー!!)


そんな悪態を大将らしい叫びに変え、思い切り彼のおでこへ頭突き──と見せかけて、自分の頭を殴った音で、旦那を騙す。


痛かったけど。

…心のに比べりゃ、屁でもなかった。

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